海からの視点~異なる発想と異なる歴史認識~

はじめに

私たちは、意外なほど「海からの視点」に、疎い・・・。

日常生活が「陸地続き」だからだろうか?

日本は海に囲まれていて、資源不足だと言われてきた・・・。

しかし、海には「海上」「海中」「海底」があって・・・。

海洋資源に限定しても、海上輸送・漁獲類・レアアースなど地下資源もある。

最近は、「波力発電」「風力発電」「メタンハイドレード」・・・。

「コバルトリッチクラスト」「熱水鉱床」など有望な資源が注目されている。

これまでのように「陸」を中心とした発想を変えて考えると、興味深い。

受験アドバイス

2023年の入試には、資源・エネルギーに関連する問題が必ず出題されるでしょう。

「ロシアへの制裁」を中心に、世界のエネルギー事情が行き詰まっているからです。

今日的な課題をしっかり納めることも入試対策の重要なことです。

「レアアース泥」とは、2011年に東京大学大学院の加藤泰浩教授らが発見した新たな海底鉱物資源です。太平洋の深海底に、レアアース濃度の泥が10~70mの厚さで分布していることが発見されたのです。さらに2013年には、南鳥島のEEZ(排他的経済水域)内の海底で、7000ppmの超高濃度レアアース泥が発見されています。

課題は、深海まで如何に到達し、「採掘が採算にあうレベルか」です。君の出番ですね。国家事業としてやらなくてはならないことです。

『エリュトゥラー海案内記』

『エリュトゥラー海案内記』は、インド洋近郊の海洋貿易について書かれた古い記録です。船乗りたちが季節風を捉えて、インド洋とアフリカ東海岸を繋いだ記録ですから、やがてローマ帝国と南インドのサータヴェーハナ朝を繋ぐ交易の案内書になり、重宝されたのですね。

渡り鳥が気流を捉えて遠方まで移動するように、広いインド洋も、海流と季節風を利用して交易をしていたのです。

いま、新しい「宇宙への航海記」が期待されています。どうなりますかね?

オケオ文化に関する遺跡群の地図(ホーチミン市歴史博物館)
オケオ文化に関する遺跡群の地図(ホーチミン市歴史博物館) 【画像の引用元
古代ローマ帝国 マルクス・アウレリウス帝/ヴィクトリー女神 対パルティア戦勝記念
オケオ遺跡から発見された金貨 【画像の引用元

海を経由した交易の記憶は、ベトナム南部。メコン川デルタ地帯の西部にある「オケオ遺跡」にあります。この遺跡から、ローマのピウス皇帝・マルクス・アウレリュウス皇帝の頃の金貨などが発見されました。オケオは1世紀~7世紀に栄えた「扶南」の港湾都市だったのです。つまり、ローマや中国(後漢)との交渉の一拠点であり、インド系の商人の活動の場であったということです。このルートを、のちに「海のシルクロード」と名付けた人がいました。

受験アドバイス

海洋交易を飛躍的に発達させたのは「羅針盤」です。これは「磁石を磁鉄鉱に加工して人工的に造る」のです。この技術は、中国の「北宋の時代」に発明されたのです。「磁場の中に磁石を置くとN極を磁場の方向に、S極を反対の方向に動く」ことを発見し、可視化されました。磁場線(N極から出てS極に入る方向)の模様を見ることができる技術が、ヨーロッパに渡り実用化されて、16世紀の「大航海時代」と繋がるのです。

この「方位磁石」の知識・技術は、マルコポーロが中国から持ち帰り、航海に適したものに改良をしながら「実用化した」のだという説があります。マルコポーロは、泉州から14隻のジャンク船団を組んで、シンガポール・スマトラ島などを経由してヴェネティアに帰国したといわれます。陸地の冒険談が有名ですが、帰国は海路でした。

シュリーヴィジャヤ王国は海上大国

7世紀ごろ、スマトラを中心にして「シュリーヴィジャヤ王国」(室利仏逝)ができました。マラッカ海峡の交易ルートを広く支配し、多くの港市国家を従える交易帝国だったようです。スマトラ島からマレー半島にまたがる連合国家で、中国やインドとも通商をしていたようで、沢山の碑文があちこちに残っています。特に唐の義浄が『南海寄帰内法伝』に残した記録が貴重です。義浄はスマトラのパレンバンなどに滞在していたようですが、国家として系統的な記述がないので、実態が未だわかりません。

シュリーヴィジャヤ王国の勢力圏
シュリーヴィジャヤ王国の勢力圏 【画像の引用元

そして、8世紀半ばになるとジャワ島の「シャイレーンドラ朝」の活動が著しくなり「ボロブドール」に石造仏教寺院を残しています。私も遺跡に行ってみたのですが「驚きました」ね。ジャワ島の真ん中に、本当に巨大な遺跡があるのです。しかもヒンズー教・イスラム教でもなく、大乗仏教遺跡なのです。

ボロブドゥール寺院
ボロブドゥール寺院 【画像の引用元
ボロブドゥールのストゥーパ
ボロブドゥールのストゥーパ

マレー半島から大乗仏教が伝わりましたが廃れ、その後インド系の移民によってヒンズー教(1.6%)が広まり、やがてイスラム教(87%)が力を伸ばしたので、現在のインドネシアの宗教はオランダ人が持ってきたキリスト教(約10%)も交えて混沌としています。インドネシアでビジネスを展開しようとする人には、大きな壁になっているようです。

受験アドバイス

シャイレーンドラ朝は、8世紀半ばから9世紀にかけてオーストラロイド系の民族がジャワ島中部に建てたといわれます。ジャワ島にある「ボロブドール」はすでに入試に出題されていますから、単体でなく、インドネシア全史の中で取り上げられ出題されるでしょう。東南アジアは、今後の日本の重点地域ですから出題可能です。受験生はマークしてください。シャイレーンドラ朝は大乗仏教を保護し、ボロブドゥールはじめ数多くの仏教建築を遺したほか、サンスクリットの辞典『アマラテラ』を古代ジャワ語に翻訳しています。こうした別角度からの出題に留意してください。

宇宙からの視点:GPSの機能で世界は変わった

君はGPSについて、かなり知っていると思います。カーナビ・スマートフォンで自分の位置を確認し、ジャイロや加速度センサから得られる情報で、自律位置を推定しているものもありますね。

先日、「認知症になった知人」が行方不明になり大騒ぎしました。その後みんなで相談して、知人にGPSを持ってもらうことにしました。これなら迷子になっても大丈夫だからです。徘徊する高齢者対策です。

もはや、海ではなく「宇宙からの視点」で動く時代が到来しています。

GPS信号を受信できないトンネル内などでも対応できるように技術が進歩していると聞いています。まさに新しい「羅針盤」です。

グローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System, GPS、全地球測位システム)は、アメリカが運用する衛星測位システムです。本来「軍事用」に打ち上げた約30個のGPS衛星のうち、数個の衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、受信者が自身の現在位置を知るシステムです。ウクライナの戦争でも、ロシア軍の移動チェックなどで使われていますね。

現在は軍事用だけでなく、民間運用が可能になっているのです。

信号には、搭載された原子時計からの時刻のデータ・衛生の軌道などが含まれているので、誤差を少なくするために、受信機は四つ以上のGPS衛星からの電波を受信するようになっているといいます。しかし、最近、中国は「攻撃衛星を開発」し、アメリカに対抗しようとしているというニュースもあります。

宇宙戦争時代へ突入です。宇宙のごみ(スペースデプリ)問題も深刻ですね。

受験アドバイス

君の友人の中に「ギフテッド」といわれる人がいるでしょうね。私の知人にも、いろいろな分野のギフテッドがいました。周囲の人とのバランスが取れず、苦労していた人が多かったです。現代音楽の世界では「ヤニス・クセナキス」ほど、特異な才能の持ち主はいません。彼は、音楽に数学・物理学を接合させ、空間図形の上に音符を置き、確率で作曲し、そのあとで、五線紙に楽譜に載せたといわれますが、著名な音楽家であり、建築家です。上野の国立西洋美術館を設計した「ル・コルビジェ」の弟子です。私は先日、<クセナキス生誕100年>ということで開催されたコンサートに行ってきました。私は<ディクタス>という、バイオリ二スト・ピアニスト・作曲家の「戦闘」のような音楽に飲み込まれました。1980年に初演された曲の鮮烈さに圧倒されたのです。まさに「未来からの視点」の音楽でした。

(安達昌二:お茶ゼミ√+特別顧問)

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