崖っぷちに立たされた時~どこを、何を、いつを崖と捉えるか~

はじめに

君は、まだ「崖っぷち」に立たされたことはない、と信じます。

しかし、中には何人かいるかもしれませんね。人生は多様だから・・・。

あんまり良いことじゃありません。

日本も世界も、政治・経済・文化がコロナで「崖っぷち」ですね。

そして、受験生としての君は「崖っぷち」を意識した方が良いですね。

受験生は2月や3月になると、いやでも意識せざるを得ないからです。

推薦やAOで進学しようとしている人は、崖の形を変えているだけですね。

人生は、一筋縄ではいかないからです。崖にもいろいろあります。

崖っぷち

入試では「受験という崖」に怖じ気ついてしまう人もいれば、悠然と立ち向かっていく人・崖下めざして飛び込んでいく人もいます。

私は人生を振り返ると「崖っぷち」ばかり歩いてきたような気がします。(笑)

受験アドバイス

「崖っぷち」を平気で乗り越えていく人がいます。第18回ショパン国際ピアノコンクールで活躍した、角野隼人さん・沢田蒼格さんは典型的な人です。彼らのピアノ演奏は、しなやかで、柔らかで、とても繊細ですが、強さがあります。角野さんは東大理Ⅰ、工学部を卒業していますし、沢田さんは名古屋大の医学部在籍中ですね。

このコンクールは5年に1回開催。世界的に有名なハイレベルのコンクールです。

反田恭平さんが2位という画期的な成果をあげました。が、私は若いマルチ人間の二人の演奏に驚いています。ショパン・ポーランドという「崖」を飛び越えていく強さと深さが背後に感じられました。ショパンの人生も「崖っぷち」ばかりでした。

獅子の子落とし

「獅子の子落とし」とは、わが子に厳しい試練を与え、その器量を試すことで使われる例えです。獅子は、子を生むとその子を深い谷に投げ落とし、よじ登って来た強い子だけを育てるというのです。この場合の「獅子」は、中国の古い説話に登場する獅子で想像上の霊獣です。動物のライオンではないです。

言い換えると、私は厳しい入試を体験した人で、後の人生に厳しさを役立たせた例を沢山見てきました。「追い込まれた経験」を活かしているのです。

人生は試練の連続です。君の場合でも、レベルが高い大学院に進学しようとしたら、強いライバルと戦わなくてはならないです。また、司法試験・会計士の試験・医師の国家試験もラクじゃないです。最近、マスコミでアメリカの弁護士資格が話題になっていますが、国際弁護士の試験は厳しいです。資格を習得できても、そのあとのビジネスの競争はすさまじいです。しかし、君には「チャレンジすること」を勧めます。

受験アドバイス

イギリス人になるには、「国家試験がある」ことを知っていますか?

イギリスの日常雑学・伝統・文化・歴史・地理など、細かな設問に答えなければ永住権を獲得できません。これを「Life in the UK」といいます。「労働ビザを○年保有」「一年のうち○日以上イギリスに滞在している」などの条件をクリアした上で、さらにこの試験に合格しなくては永住権が取得できないのです。そのために、不法滞在を余儀なくされている人が沢山いるようです。

『太平記』にみる「崖ッぷち」のリーダー像

太平記を、「崖っぷち」に立たされた男たちの物語として読むと面白いです。

物語の主人公を、後醍醐天皇・足利尊氏・楠木正成に絞ってみると、どの人物もギリギリの「選択」を迫られて、結局何をしたか、どうしたかであり、結果はどんなだったかが面白いのです。生死を賭けて「崖っぷち」を選択しながら生きていたのです。権力欲・名誉欲・野心が絡み合っていて、興味深いのです。権力闘争は、いつの時代も同じです。

  1. 後醍醐天皇

    鎌倉幕府が衰えてきたことに乗じて、「天皇親政」の時代に戻そうと「賭けに出た人物」です。天皇親政の復活チャンスとして「崖っぷち」を捉えた点はさすがですが、野心と時流の読み違いが「混乱」を増長させ、歴史の波に翻弄されました。これで「公家政治」の終焉です。

  2. 足利尊氏

    戦前は朝敵・悪役として記録されることが多かったですが、どうしてどうして、崖のむこう側を見て「室町幕府」の長期政権の基礎を造った野心的な人物です。計算高く「待つ人」のようでいて、巧妙に「仕掛ける男」です。時流を利用したしたたかさが魅力です。

  3. 楠木正成

    『太平記』のスーパースターです。難局を奇抜な手法で何度も切り抜ける、「軍事的才能の持ち主」です。主人公にふさわしいエピソードが沢山あります。「崖っぷち」を奇抜な戦略で切り抜けていく男です。

    武将としてだけでなく、人間的な魅力があるからですね。決して、運命に対して逃げないからですね。

受験アドバイス

『太平記』は全40巻で、南北朝時代を舞台に、後醍醐天皇の即位から鎌倉幕府の滅亡、建武の新政と崩壊後の南北朝分裂と・・・、約50年間の軍記物語です。

騒乱が収まって、室町幕府・第三代足利義満の代になって社会が落ち着きました。義満は遺族の別荘を譲り受けて禅寺に改築し、その一部分が金閣寺(鹿苑寺)です。

金閣寺

室町時代に、新しい「武家文化」が開化しました。商工業の発展にともなって町衆や農民が「文化の担い手」として登場し、庶民文芸が発展したのです。現代に繋がる「猿楽・狂言・連歌・茶の湯」が生まれ、広がりました。

今年の入試もコロナ禍の下で

今年の入試も、コロナ禍を避けることができないでしょう。「共通テスト」の三年目ですが、出題の傾向も不安定ですから、柔軟に対応しましょう。

さて、「戦争」をはじめ、激変する世界情勢に対応する力が要求されています。日本はいかにあるべきか。日米同盟を基軸にしながら、食糧・資源・エネルギー・人口問題などを「俯瞰してみる力」が求められています。

もう一方で、入試改革のスピードに多くの学校が追ついていけない。そのしわ寄せが、受験生の大問題になっているという現実があります。

典型的な教科は「情報」です。いまや日本の教育システムが「崖っぷち」に立たされています。指導者のノウハウも混乱しています。困ったことです。

一方で、小中学生のプログラミング教室が繁盛しています。この生徒たちが受験生になるころの入試は、相当高いレベルになっていることでしょう。しかし、2023年度の「共通テスト」は、基本的なことをマスターすることに集中すれば大丈夫だと思います。

受験アドバイス

世界中が、優れたIT・AIの開発者を求めています。公官庁も企業も人材の育成を期待しています。しかし、日本の教育・養成の現状のシステムは、世界レベルとは程遠い「負の格差」です。こうした状況を踏まえて、入試科目で科目の導入をしようとしています。が、簡単にはいかないのが現状です。データサイエンスは、ビッグデータを分析する能力と、情報を組み合わせてIT・AIに流し込む力のふたつが要求されているのです。

mRNAは新しいワクチン接種法を開発

人類はコロナ(COVID-19)というウイルスによって、破滅の危機「崖っぷち」に立たされて、すでに三年が経過しました。全く未知のウイルスに出会って、何とか撲滅しようと努力していますが、コロナウイルスは、したたかに変容しつつ滅びることはなく猛威を振るっています。中国のように、完全撲滅(No Corona)を政策として推進している国家もありますが、欧米中心に「With Corona」と方針を切り替えて、コロナとの共生を図る方針をとった国も多いです。日本も、この中のひとつですね。どちらも混乱していますね。

今回のコロナに対するワクチンの開発は「超スピード」で行われました。

これまでの経験で、ワクチンを接種した後も、コロナウイルスは「一定の確率で変異を繰り返す」ことが判りましたから、ワクチンの方も「改変」を続けなくてはなりません。

私は、すでに4回目のワクチン接種をしました。私が接種したmRNAワクチンは5~6か月程度の効果があるといわれます。「終わり」ではないので、ウイルスに変異にあわせて「何度でも接種」を継続すると思います。第5回・第6回の接種を覚悟しています。現在のワクチン自体が「充分な検証」を経て製造されているとは言えませんから、友人の中には怖いといって、接種しない人もいます。専門家によれば、このワクチンは「ポリエチレングリコール(PEG)」という化合物を使用しているので、「副反応を起こす確率」がこれまでのワクチンより高いのだそうです。

ウイルスに変異にあわせて「何度でも接種」
コロナウイルスと抗体

しかしワクチンに利用しているmRNAは「私たちの遺伝情報(DNA)に組み込まれることはない」そうですから、過剰に神経質になる必要はないと聞いています。mRNAは数日から一週間程度で分解されるので、安全性も高いのだそうです。長期的な副作用についての検証はこれからですから、心配する人がいるのも当然です。私は接種してよかったと思っています。

従来使用されている生ワクチンや不活化ワクチンというものは、「病原体のウイルスや細菌を別の宿主や細胞で増殖させて使用するもの」でした。しかし今回のようなパンデミックに素早く対応できません。

パンデミックに素早く対応
強力な武器を獲得しつつある

そこでCOVID19のワクチン開発では、「ウイルスの遺伝情報に基づいて」ワクチンを設計する「遺伝子ワクチン」が採用されたのです。専門家によれば、mRNA(メッセンジャーRNA)とは、たんぱく質を合成するために、DNAに保持されている遺伝情報の(一部の)コピー(鋳型)となるものだそうです。

COVID-19ウイルスの表面の「スパイクタンパク質の遺伝情報のmRNAを合成」して、「脂質ナノ粒子という物質の中に入れて接種する」ことで、人の体の細胞がそのタンパク質を作り、そのタンパク質に対する免疫がつくシステムだそうです。私は素人ですからこれ以上はわかりませんが、世界中の「10億以上の人を被検体とした壮大な実験」の最中にあるとも言えます。いま人類は、コロナ禍を通じて将来の新たなパンデミックに対して、強力な武器を獲得しつつあるかもしれません。

受験アドバイス

コロナ禍を通じて、人類は叡智を結集して「ひとつ大きな危機」を乗り越えようとしています。ワクチン開発の進歩は「がん」や「アルツハイマー病」の治療薬を開発に繋がっていると聞いています。この「崖っぷち」を乗り越えることにより、私たちはもっと強くなるでしょう。「未来は予測不可能」だから面白いのです。30年前は理解できますが、「30年後の世界は予測できない」ですね。「次代を担う君」らの活躍を期待しています。一生懸命に勉強してください。

(安達昌二:お茶ゼミ√+特別顧問)

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