サクラサク:「新しい風」に早く馴染もう~急激な変化の波に「立ち向かう力」をつける~

はじめに

日本の新学期に「桜がよくにあいます」ね。

君の気持ちの高まりに、満開の桜はピッタリです。

私は、この新鮮な風情がとても好きです。

満開の桜は、やがて葉桜となり、逞しい緑に変身する「生命力の象徴」です。

高校生が、大学生になり、逞しい大人に成長していく姿と同じです。

桜と共に、新しい「時代の大波」が来ています。堂々と受けて立ちましょう。

時代の波とは、新学習指導要領・デジタル教科書・GIGA構想・入試システム変更・デジタルサイエンスなどです。・・・すべてが「コロナ禍の下」です。

桜道

旧くなったものは滅び・新しい芽が伸びて花となる。これが「掟」です。

君は楽しく、元気に、逞しく、枝を伸ばして「飛躍」の出発点にしましょう。

桜の下で「新しい種(Seed)」を蒔く

君は、桜という樹木は寒い冬の間に蓄えた「生命の力」を枝の先に集めて、春が来たら「一気に花を咲かせる」ことを知っていますか。専門家によれば桜の樹木は、根元を厳しく「鍛えれば鍛えるだけ」枝が大きく伸びて大木になり、見事な花をつけるのだそうです。満開の花は、鍛えられた樹木の枝に咲くのだそうです。私の好きな「岡山の旭川の土手」は、今年も満開だろう!

旭川の土手桜
旭川の土手桜 【画像の引用元

私たちは「時代の波」の厳しさを避けるのではなく、正面から受け止めて逞しく乗り越えていく時が来ています。勉強では、厳しいチェックこそ「愛のムチ」です。鍛えられて『サクラサク=合格通知』を受けるのです。

受験アドバイス

友人の染色家の話では『サクラ染め』は、桜が咲く寸前の枝を集めて小さく切る。それを鍋に入れて、炊いたり冷やしたりしながら熟成させるのがコツだそうです。

受験勉強と同じです。7月までに「単語数を増やす」「計算力をつける」「公理・公式を覚える」「積極的に試験を受ける」など、基礎学力をつけて「夏から秋に備える」のです。共通テストは、次も資料・データを読み解いて、設問に答えさせる出題が多いでしょう。「スピードよく設問に答えられる」ように演習してください。この「熟成の期間」を大切にしないと「希望する色=志望校合格」が実現しないのです。

2025年に向けて、新しい種が蒔かれた

2025年入試(新中3生)から、「全く新しい入試を始める」と、大学入試センターが3月24日に発表しました。正式発表は今夏です。

2つ以上の教科にまたがる出題とか、教科のサンプル問題を見ると「全く新しい種」が蒔かれています。これまでにない「変異種」です。この傾向は早速、2022年度の2次試験・私立大入試に影響を及ぼすでしょう。

種が蒔かれる

世界中が「コロナの変異種」に戸惑っていると同じように、これまでに経験したことのない「学習の変異種」の種(seed)が、蒔かれたのです。

受験アドバイス

「春眠不覺曉 處處聞啼鳥 夜來風雨聲 花落知多少」これは、唐代の詩人:孟浩然の五言絶句です。私は第24回に書きましたが、受験生は、そんなのんびりしたことを言っていてはいけません。これは40歳を過ぎた人の詩です。

2021年、首都圏私立の早稲田大・上智大などで、「漢文の出題」がありました。君が、いずれの大学・学部に進学するにしても、漢文の素養はしっかりつけておきましょう。

新しい種(Seed)は、新しい革袋にいれる

文科省は、2019年に「GIGAスクール構想」を出しました。

これによって、君の手元にも「デジタル端末機」が配布されましたね。

GIGAとは(Global and Innovation Gateway for All)の略です。小・中学校の「生徒1人に1台のパソコン」を配布する構想です。全国の高校に拡大するのはすぐです。

デジタル端末機による学習

学校に「高速大容量の通信ネットワーク」を整備するそうですから、君のパソコンに、「最適化された情報・資料」が届けられるわけです。これを、どのように活用するか。「興味深い器材」です。

受験アドバイス

Neither do men put new wine in old bottles. (新しい酒を新しい革袋に盛る )

新約聖書のマタイによる福音書:第9章の1節に「誰も新しいぶどう酒を古い革袋には入れない。そんなことをすれば、革袋が破れてしまって酒が漏れるし、袋もだめになる。新しいぶどう酒は新しい革袋に入れよ。そうすれば、ぶどう酒も袋も両方が保たれるだろう」とあります。

新しい思想を適切に表現するためには、新しい形式で表現すべきだということです。

新しい教材や指導を行うためには、「それに適した新しい形式や心構え」が必要であるということです。君も「柔軟に対応」していきましょう。

新しい「教科書」のサンプルが出ました

「新学習指導要領」に沿った「新しい教科書」の検定結果が発表されました。

3月の終わりに示されたものですが、この中の「歴史総合」「地理総合」「公共」「情報」など新しい科目と「探究」は、思考力や判断力の育成にポイントが置かれていますから、指導者にとっては難問です。

「学ぶ側」の立場から言えば、そんなに驚くことではありません。受け身の学習ではなく、「自分から学ぶ姿勢」を大切にしていけばいいのです。むしろ、2025年入試までの着地点を考えれば、取り組み易く、準備しやすいです。

高校の新指導要領で大きく変わる地理歴史と公民
高校の新指導要領で大きく変わる地理歴史と公民 【画像の引用元

これから各社が発行する「教科書」の中で、君の学校がどこの教科書会社のものを選択するか分かりませんが、「教科書の内容」や「問題集」が「模擬試験」の事例を見れば、次第に不安が吹き飛ぶでしょう。

「新学習指導要領」にしっかり対応しよう

入試に関わる教科は「探究」ですから、早速2022年度入試に影響してくるでしょう。共通テストも、私立大学入試でも「課題を見つける」「情報を組み立てる」「表現する」という出題が増えるでしょう。そして「総合問題」が増えるでしょう。「SDGs」の内容と経団連・政府広報の「Society 5.0」は、絶対にマークするべきです。重要な「隠れテーマ」として、資料・図表・データに多用されると思います。

受験アドバイス

「歴史総合」は、近現代の「日本」と「世界」の関係がテーマですが、この範囲・テーマは、沢山あるようでいて大した数ではありません。私がザラリと考えて40~60が限度です。政治・経済・法律・文化・歴史・交流と「ジャンルを分ければ」わかりやすいでしょう。例をあげれば、1904~1905年の「日露戦争」はテーマのひとつになるでしょう。1902年の日英同盟と関係し、「親英派」と「親露派」の対立が出題しやすいからです。背景は、現在の「親米」と「親中」の選択にあるからです。

渋沢栄一とパリ万国博・ジャポニズムなどは「文化面」で作問しやすいテーマです。

これらは「探究」の出題範囲でもあります。積極的に考えてみてください。「世界史」「日本史」「地理」「公民」などをcollaborationした問題に慣れたらよいのです。

しばらくは紙とデジタルの併用でしょう

教育を囲む「IT環境」は、ますます進化するでしょう。

高校生・中学生が「スマホで学習」する環境が整ってきましたね。「ハードの機器」も「ソフトの教材」も、廉価で素早く入手できるようになっています。

公立高校でも、すでにデジタル教科書を使っている学校があります。

教育産業に、ITの企業・ベンチャー企業が参画し、ますますデジタル機器・教材の開発競争が激しくなるでしょう。タッチパネルだけでなく、ノン・タッチのパネルが開発され、普及する流れができています。この流れの中では「共通テスト」の「記述式」は出来ませんね。技術的に不可能だからです。

これから数年間は「紙の教科書」と「デジタル教科書」が併用されるでしょう。だから「格差が是正」されるまで、大学入試では「CBTを使わない」ことになっていますね。

「デジタル教科書・教材」は<文字の拡大表示><音声読み上げ>・<マーキング可能・配色>などができます。まだ「指導法が確立していない」ことが気がかりですが、文科省が「端末活用の支援チーム」を始動させました(4月3日)から、全国の指導者も必死で勉強するでしょう。期待しましょう。

受験アドバイス

「情報の選択能力」をつけなければ、「氾濫する情報」に振り回されるだけです。

素早く「何が有効な情報であるか」を見極める力をつけましょう。選択能力が必要だから、共通テストでも「リテラシーを問う問題」が多くなるのです。

ひとつの事象でも「情報を発信する側」と「受ける側」では異なります。マスコミが流す情報でも、報告者・ライターの目線によって「Negativeな記事」と「Positiveな記事」に分かれますね。君の「情報を比較する能力」が入試でも問われているのです。

テクノロジーの進歩が未来を明るくするか

受験では、「今後の流れ」を予測して、対応策を立てればおそれることはありません。「未来を予測できる力」さえあれば、どうすれば良いかがわかって来ますからね。

君の「未来社会をイメージ」する<経団連>・<政府広報>の[Society 5.0]は興味深い内容です。ユーチューブで見られますから「必見」です。

未来志向は悲観的にならず「流れ」を主体的に受け止めていけばいいのです。

iPhoneが発売されたのは、13年前でした。現在、スマートフォンがない世界は考えられません。変化に対応して、私たちは少しずつスマホを生活の中に取り込んできたのです。変化を主体的に受け止めて昇華していく知恵が期待されているのです。受け身だけでは、不安になり、Negativeになるだけです。

スマートフォンがない世界は考えられない

近未来の生活を考えてみましょう。「5Gでの診療」が成功すれば、過疎地域の医療問題で解決できることも多いでしょう。「ゲノムの編集技術」が進めば、パーキンソン病など「難病の治療」にも可能性が見えてきます。「空飛ぶクルマ」も可能になるという人がいます。すでに「スマートwatch」で健康管理をしている人がいますね。「地震・災害」にも有効な手立てが生まれてくるでしょう。AI家電・AIスピーカー・無人走行バスなども可能ですね。

空飛ぶクルマ

デジタルによる「管理社会」を危惧する声もあります。が、GoogleやYahooのアルゴリズムは、すでに私たちの生活の中に浸透して影響を与えています。

「自由は錯覚である」という見解さえあります。さて、君はどうですか?

自由の限界
自由の限界 【画像の引用元

単純に管理社会に身をゆだねるか?反発するか?上手に昇華させていくか?

君の「主体性と意志」が問われているから、入試でも採用されているのです。

受験アドバイス

「野生の叫び」などディズニー映画などを観ると、CGのすごさに驚きます。

とても手書きではできない繊細な映像ができています。私たちは生活の中で「いろいろなこと」をつなぎ合わせて考えたり、調べたり、比較したりしています。こうした「実生活で起こっていること」と「学習したこと」をつなげて考える力こそ未来を切り拓く力です。

(安達昌二:お茶の水ゼミナール特別顧問)