お茶ゼミブログ

2013/3/26 英語 尾形
「本質をつかむ力」だという話の続きです。
前回出した問題はこれでした。
13年早稲田大学文学部の会話問題。
実際の問題では選択肢はもっと多いのですが、いくつか削っています。
Takashi: There are 48 teams in the tournament..
I’ve got ( ) that we can at least get as far as the final eight.
Kate: There’s no doubt about that!
①an easy job
②feeling so lucky
③no doubt about
④my fingers crossed
⑤over the time
⑥works for me
・・・・・・・・・正解は、、、、
正解は④。
「トーナメントに48チーム出るんだ。
少なくとも最後の8チーム(ベスト8)まで僕たちが行くことができる……」
この「……」の部分を選択肢から選んで完成させるわけです。
「なんとなく」①かなと思った人、直訳してみてください。
「少なくともベスト8まで僕たちが行くことができるという
簡単な仕事を(今まで)もってきた/(今)もっている」
それに対する返事は「それに関しては疑いはないわね」。
下線部の部分、つまり、can(「できるという簡単な仕事」。変ですよね)
と現在完了形を読み落とさなければ、すごく不自然な選択肢です。
また、①だと思った人はan easy jobが同格のthat節を
とっていると思ったのでしょうが、
jobは同格のthat節をとることはまずありません
(同格のthat節をとることのできる名詞は限られています。
辞書で同格の接続詞thatを確認してみてください。)
「受験ってso…that構文よく出てくるらしいし、
意味的にも「なんとなく」いけそうだから……」と、②を選んだ人。
いいセンいってます。
この選択肢を選んで間違ったぶんには
「仕方ない」間違い方だといえるでしょう。ですが違う。
意味もおかしいですが、構造的にもまずい部分があります。
gotの後ろに来る名詞としてfeelingを使うとすれば
I’ve got a/the feelingのように冠詞が必要になります。
このブログを読んでいる人は新高3の人が多いと思うのですが、
皆さんに今必要なのは、
・選択肢①を切り
・選択肢④は正解になりうるのでは?
という感覚をもつ、ということでしょう。
なぜ④になりうると思えるのか?getとcanに着目してください。
・get my fingers crossed でget O 過去分詞という構造を作ることができる
(指をクロスさせておく、くらいの意味になるはずだ…)
・thatをso that…「…するように」のsoの省略だと考えると
(この構文においてはsoは省略できる)、canの存在は違和感がなくなる。
「少なくとも僕たちがベスト8まで行くことができるよう、
指をcrossさせている」くらいの意味になりそうです。
タネ明かしをすると、get one’s fingers crossedで
「指をクロスさせる=幸運を祈る」という意味になるのですが、
重要なことは、この問題は、そういった
「会話表現知識の有無を問う問題ではない」ということです。
文構造を意識させる、という点では一種の文法問題といえましょう。
空所補充の問題は、
空所に「①意味的に ②構造的に」入りうるものを検討する。
英語の学習において、王道中の王道であるこの作業が
きちんとできるかを問う、難関大の入試とはそのようなものです。
読解や会話問題においては、①ばかりに目がいき、
②がおろそかになる人が多い。
ではどのような勉強をすればよいか?
まずはワンセンテンスワンセンテンスを丁寧に正確に
構造や意味を把握する、という練習を重ねることです。
英語に自信がない人は特に。
まだまだ受験勉強は始まったばかり。
時間はあります。
焦らず、丁寧に学習を進めていきましょう。