お茶ゼミブログ

2010/4/6 国語 秋元
なんと先日お茶ゼミ東京本校に来てくれました。
もはや「君の名は」ですね。
たかが缶ジュースがなんだか
ロマンティックなアイテムに思えてきました。
そういうわけで、東京校に預けていった手紙を通して
初めて君の名前がT君だとわかったし、字がひどく汚いことも、
早稲田の文学部に合格したことも知ったのです。
まじか!!おめでとう!! 超嬉しいよ。
あのイベントのささやかな出会いが
こんなドラマにつながるなんて。
T君、すごいな。宣言通りだね。
今度の今度こそジュースをおごるから。
ジュースで祝杯だ。
それにしても君と初めて会ったあの日、
缶ジュースが合格祝いになるなんて思いもしなかったな。
さて、前回の続きです。お待たせしました。
僕は古文を英語や記号によく置き換えます。
その方が感覚的に捉えやすく反応が早いし、
応用(意訳)にも対応しやすいからです。
中でもある種の古文単語をbe動詞として扱うと
なにかと都合がいいことが多いのです。
☆be動詞=「あり・侍り・候ふ(※)・おはす・おはします」
be動詞の原義は「存在」ですが、これが「解釈」問題になった場合、
「存在」→「この世に存在」→「生きる」→「暮らす」
の意味で問われることが大いにあるのです。
英語の和訳問題でもそうでしょう?
仏語もそうです。面白い一致ですね。
(※)「存在している状態」が原義の「侍り」に対して
(「侍り」は「這いつくばる」が語源)、
「候ふ」はより能動的・動作的なイメージがある
(「候ふ」は「見守り続ける」が語源)ため、
「生きる」の意味にはなりにくい。
ちなみに「生きる」の意味は「あり」以外は通常辞書には載っていない。
まさにこのbe動詞の解釈が早稲田大学の大好物でもあるのです。
2010年度最新の「文学部」の問題を紹介してみましょう。
問二十 傍線部4「おはしますにもあらでおはします」の意味として
もっとも適当なものを次の中から選べ。
イ 外へ出る気力を失いながらもやっと出ていらっしゃった
ロ もう生きていられないような病状に陥っていらっしゃった
ハ 分相応の身だしなみも整えられないで嘆いていらっしゃった
ニ この世の人とは思われない姿でさまよい続けていらっしゃった
ホ そこにお住まいとも分からぬような状態で暮らしていらっしゃった
答えはロ・ホですよね。
例年は速攻で一つに絞れるのですが、
今年はさらに「文脈」も必要になっています。
この辺が文学部の矜恃(きょうじ)か。とはいえ容易。
直前に、お屋敷がぼろぼろになってしまった描写があるので、正解はホ。
ちなみに昨年度の「商学部」の問題は
「えあるまじくおぼゆれ」の解釈で、
選択肢ロ「これからはとても生きていけないようおもわれる」
と即答できるものでした。
即答できるから早稲田の問題は軽薄だ、ではなくて、
英語等に置き換えて
「本質」を掴んでいる受験生だけが爽快感を得られる「良問」
を出すのが早稲田の魅力なのだと僕は言いたいのです。
これからもどんどん「本質」を押さえた
早稲田好みの問題をマニュアル化して紹介していきます。
乞御期待。