お茶ゼミブログ

2008/2/12 国語 秋元
現代文・古文を通して早稲田大学の魅力を皆さんにお伝えしようと思っています。
プロフィールに「早稲田大学をこよなく愛す」とありますが、 正確には僕は「早稲田の
入試問題」を・・・
こよなく愛しているのです。
たしかに早稲田大学自体にも思い入れはなくはありません。
祖母が早稲田の学生専門の賄いつきの下宿を営んでいましたし、その影響で父も
早稲田の出身で、最近は大学に寄付したくらい早稲田を愛しています(笑)。
ですが、僕が早稲田に憧れを抱き進学を決めたのは、そういう家庭環境とはおそらく
関係ありません。
受験勉強をしていく過程でどんどん早稲田の入試問題に魅せられていったのです。
早稲田は他大学とは確実に一線を画した問題を出し続けています。
早稲田の問題は美しい。爽快だし愉快でさえあるのです。
だから僕は、早稲田大学に、というより早稲田大学の入試問題に引き寄せられて
早稲田大学に入学したのだといっていいし、今なお予備校講師として受験生に
早稲田の魅力を布教しているのです。
さらにはこのブログを通して今度は全国の受験生を洗脳しようという魂胆です(笑)。
お付き合いください。
さて、前置きが長くなりましたが今回は「古文」でいきます。
昨年スカパー!の「ベネッセチャンネル」で早稲田の講義をしたのですが
(見た人いますか?)、そのとき諸事情で使えなかった問題を紹介します。
政経学部のかなり古い問題なのですが(’84・・・僕が中2の時!!)、
僕が早稲田の問題に痺れるきっかけになった問題ですし、今でも類似問題は
出ているので君たちにも是非味わってもらおうと思います。
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「例のやうになどしてまゐらせたまふこそ
しるけれ、このごろは、……」
問 傍線部の意味として最も適当なものを、次のイ~ニから一つ選べ。
イ いつものように参上なさるのであれば、はっきりわかるのであるが、
ロ まるでふだん着のようにお着せするのを理解なさって、
ハ つねに日ごろ変らず参詣なさるお姿が印象深いので、
ニ 健康である時と同じようにして召し上がるのだが、汁気が多くて、
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さあ、どうですか。
他大学に比べて傍線部が長いですね。敬語動詞も含んでいて難しそうですよね。
そうなんです。
早稲田大学は一見難解な問題で受験生をびびらせるのが上手いのです。
なのですが、「あること」に気づけば単純明快に答えが決まるのが
早稲田の魅力。
今回の「あること」は、
☆ 「……こそ~已然形、……」 →
「~已然形+逆接(ケレドモ・モノ
ノ・ノニ・ガ)、」
というメジャーな文法事項です。
つまり問題文中の「…こそしるけれ、」に着目すれば、
後は選択肢の最後を見て「逆接」で終わっているものをチェックするだけ。
速攻で「…が、」で終わっている「イ」ですよね。 気持ちイイ~!
選択肢ニの「汁気が多くて」というのも笑えますね。 早稲田はユーモアもある
のです。
ちなみに「しるけれ」はもちろん「汁気」という意味ではなく、形容詞「しるし(著し)」の
已然形で、「明白だ・はっきりしている」という基本単語です。
早稲田大学に合格するには「論理力」が必要だとよくいわれますが、
その「論理力」はなにも「現代文」に限ったことではありません。
次回は「古文」でも論理力を必要とするかっこいい問題を紹介しようと思います。
お楽しみに。