緊急:入試で抑えておきたい「中東問題」

はじめに

大学入試だけでなく中学・高校の入試に、「中東問題」が急遽採択・挿入される事態が発生しています。

「知らなかった」では済まされません。

「入試レベル」でも「生活レベル」でも、必ず影響が出るからです。

トイレットペーパーの買い占め

50年前の「第一次オイルショック」が再現されないとも限らないです。

「トイレットペーパー」が店頭からなくなったりして、社会が大混乱したのです。

成り行きによっては、「中東の石油の輸入」が途絶える影響が懸念されます。

マスコミが連日報道していることについて、「入試レベル」で解説・・・。

中東問題の「流れ」「知識」を整理しておきましょう。

なぜ、入試に関係するのですか?

入試出題の背景に「現代の社会が抱えている課題」があります。

課題に「正対する作問をつくる」という意向が、文科省・大学入試センターの「出題の出発点」ですからね。記憶主体の学習時代ではないからです。

「入試問題を通して」課題解決能力をマスターさせるという出題の背景です。

これは大学だけでなく、高校・中学の入試に一貫していることです。

大学入試では、設問・二次試験・面接・小論文のテーマが具体的ですね。

中東の石油なくして、日本の経済は成立しないのが現状です。

原油の輸入先(2019年度)
原油の輸入先(2019年度) 【画像の引用元

今年は、首都圏の私立大学で「中東問題」を取り上げるところが多いでしょう。

11月からの「総合選抜試験」のテーマにもなりますから留意してください。

中学・高校入試では「時事問題に対する関心度」を計る目的で出題されます。

なぜ、パレスチナ問題が深刻なのですか

イスラエルとパレスチナの衝突は、歴史的な過程と現実的な課題があります。

現実的に捉えると「イスラエル側」には、アメリカの支援があります。

「パレスチナ側」には、イランなどアラブの産油国の支援があります。

この対立構図では、アラブ首長国連邦が苦しいでしょう。静観するしかないと思います。日本は、アメリカ側になりますね。

パレスチナでイスラエル人とユダヤ人が「共生」するには、強い意志と粘り強い努力、各国の理解・協力が必要です。血で血を洗う連鎖をどこかで断ち切らなくてはなりません。

コラム【「共通の先祖」を持つことが争いの根底にある】

「ガザ事件」の背景は『旧約聖書』の中のエピソードに遡ります。

イスラエルの祖である「アブラハム」は、高齢の妻「サラ」との間に、ようやく嫡子「イサク」をもうけます。彼が「ユダヤ人の祖」です。しかし、彼は妾(奴隷)「ハガル」との間にも子供をもうけていました。「イシュマエル」です。

やがて、部族内でトラブルが起こり、ハガルの母子が砂漠に追放されます。

イシュマエルが「アラブの祖」になりました。共通の祖先をもつふたつの民族の「対立」が根っこにあるのです。これは第54回に詳しく書きました。

イシュマエルとイサク
イシュマエルとイサク 【画像の引用元

近年の「敵対」の出発点は・・・?

単純に言えば、「イスラエルの建国」(1948)に無理があったのです。

強引に力づくで「ここは、私たちの土地だったのだ!」といって、第二次世界大戦が終わったころに、ここに割り込んできて「建国」したからです。

もともとの住民だったアラブ人は「パレスチナ難民」になりました。

イスラエルはその後、入植などで「占領地を拡張」し、パレスチナ人は現在「ヨルダン川西岸」と「ガザ地域」に封じ込められているのです。

パレスチナ難民

反発・恨み・憎しみ・嫌悪が重なって、不幸な争いになったのです。

国連が仲裁し、和平の話し合いが持たれましたが、解決に至っていません。

私は、エルサレムからガリラヤ湖までバスに乗って移動したことがあります。

砂漠の中に、一人・二人とバスの中の兵士が消えていく様子は異様でした。

コラム【イギリスの二枚舌外交】

入試の中東問題では、イギリスが主導した「三つの条約」が重要です。

イギリスは「インドへの道」と「石油資源の確保」のために、フランスを抱き込んでオスマントルコ帝国を倒しました。この「外交政策」は入試の必須です。この時に映画にもなった「アラビアのローレンス」が活躍します。

  • 1915年10月 - フサイン=マクマホン協定(中東のアラブ独立を約束する)
  • 1916年5月 - サイクス・ピコ協定(英・仏・露による中東分割の秘密協定)
  • 1917年11月 - バルフォア宣言(パレスチナにユダヤ人の独立国家をつくる)

これにより、イギリスに踊らされた「アラブ独立主義」と「シオニズムの要求」が矛盾していることから、過激で深刻な「紛争:対立」がおきたのです。

なぜ、今回の「事件」が勃発したのですか

パレスチナの過激な武闘組織である「ハマス」が、2023年10月7日、パレスチナ自治地区のガザからイスラエルに「奇襲」を仕掛けたからです。

「陸・空・海」から、戦略的に侵入したのです。

もともとガザ地区を実効支配しているハマスは、イスラエルを「国家」として否定し、軍事部門「カッサム旅団」を中心として武闘闘争を掲げています。

イスラエルとアメリカは、これを「テロ組織」とよんでいます。

イスラエルでは、国境近くで「沢山の犠牲者」が出ました。そして、ハマスは罪のない市民を「人質に拉致」したのです。

これに対して、イスラエル政府は「報復の姿勢」の決意を表明します。

空爆と地上攻撃をする態勢です。市民が巻き込まれて大変な状況です。

ガザ地区の「市民を楯」にしたハマスを撲滅するために、イスラエル政府は「住民に待避する」ように勧めていますが、生活の場を放棄して「難民化」することを恐れる市民は困惑するだけです。ガザ地区の市民は、これまでの「経済封鎖」で難渋していますが、今回は「その上の被害」を被っているわけです。

すでに、水不足・医療崩壊・生活物資不足で困っている報道があります。市内の「病院が爆撃」された情報もありますから「人道上」も許されないです。

なぜ、こんなことになったの?

紀元前4~5世紀頃は、地中海とヨルダン川・死海に挟まれた地域一帯を「カナン」とよんでいました。旧約聖書に「乳と蜜の流れる土地」と描写されていますから、豊かな土地で、いろいろな民族・種族がのんびり暮らしていたのでしょう。この地域のことは「旧約聖書」以外に少しだけ「考古学的な発掘」がありますが、「文献でも実証できない」です。

後年、オスマン帝国の支配下にありましたが、ジズヤ(税)さえ収めていれば、多くの宗教・民族は豊かな「共生」が許されていたのです。しかし、第一次世界大戦を挟んで状況は一変したのです。

コラム【ディアスポラ(民族離散)】

古代ローマ帝国の支配に、ユダヤ人たちが猛烈に反発し、ついに「第一次ユダヤ戦争」(66~73)・「第二次ユダヤ戦争」(132~135)が起こります。

有名な映画『ベン・ハー』は架空物語ですが、この対立を描いています。

「二つの反乱」で、ローマ帝国に壊滅的に敗北したユダヤ人はこの土地から追い出され、世界中に「ディアスポラ(民族離散)」(70年)を強いられます。

シオンの丘
シオンの丘 【画像の引用元

離散の結果、弾圧されたり差別を受けたりしましたが、特にヒトラーの弾圧虐殺はひどかったです。「もう一度、自分の国をつくろう」「シオンの丘に帰ろう」という「シオニズム運動」が起こりました。その後、いろいろな経過がありましたが、1948年に「イスラエルを建国」したのです。

しかし、1878年も経過していましたから、その土地には新しい住民がいました。パレスチナの人々は強引に「追い出される」という無理が生じたのです。

第四次中東戦争・・・

入試に関係することといえば、今回の事件は「第四次中東戦争」の開始時期にあわせて奇襲が実行されたことです。特に「第四次」に注意しましょう。

1973年。エジプト・シリアはイスラエルを先制攻撃しました。

この戦いで、エジプト軍は「ガザ地域」を確保しました。戦況を有利にするために、アラブ側は「石油」を戦略武器に使いました。OAPEC(アラブ石油輸出機構)を使って、イスラエルを支持するアメリカ・オランダへの輸出を禁止しました。石油の急騰で、世界中の経済が大混乱に陥りしました。これが「第一次オイルショック」です。トイレットペーパーの狂騒曲が起こりました。

コラム【スエズ運河とナセル大統領の戦略】

第二次中東戦争は、1956年にエジプト大統領ナセルの「スエズ運河の国有化宣言」で激化しました。イギリスは「石油」と「インドへの道」を確保するために、イスラエルを支持しました。エジプトとの戦争を扇動し、自らは「仲介の名目」で介入しました。

スエズ運河は、フランス人のレセップスの提案で工事を開始し、1869年に開通しました。「建設費」を確保するために、イギリス・フランスを中心とした資本家が「株式会社」を設立しましたが、やがてエジプト政府が「財政破綻」したために、大量の「株」をイギリスに譲渡しました。スエズ運河は「イギリスの管理下」に置かれました。

しかし、1956年7月、エジプトのナセル大統領は「巨大なアスワンハイダムの建設費」を賄うために、強引に「スエズ運河の国有化」を宣言しましました。その結果、イギリス・フランス・イスラエルとエジプトとの間で「第二次中東戦争」が勃発したのです。

第五次中東戦争の「臭いを消す」には

第三次中東戦争(1967年)は「六日間戦争」といわれるほど、イスラエルの圧倒的な勝利に終わり、シナイ半島・ガザ地区・ゴラン高原などを占拠しました。そして、第四次中東戦争以後、イスラエルとアラブ国家との「武力衝突」は起きていません。1978年の「キャンプ・デービット合意」ができたからです。

ここで、イスラエルへの敵対勢力はパレスチナ解放機構(PLO)に移行し、「パレスチナ自治政府」となりました。

1982年の「レバノン侵攻」がありましたが、第一次「インティファーダ」(抵抗運動)を経て1991年に「中東和平会議」が開かれました。

インティファーダ
インティファーダ 【画像の引用元

しかし2017年、トランプ大統領になって「アメリカの姿勢がイスラエル寄り」になったので、イスラーム教徒の反発が大きく、「ハマス」と「イスラエル軍」の衝突が発生しました。今回の「衝突」もそのひとつです。

バイデン大統領も、イスラエル支持を表明しています。

今回は、第三次中東戦争のように、イスラエルが圧倒的な武器を持っているからといって「思惑通り」に行かないでしょう。また「ハマスの計算通り」にもならないと思います。「国際世論が戦争抑止力になる」と思うからです。

欧米がウクライナ侵攻に対処している間に、ハマスが「第五次中東戦争」の危険な「窓」をこじ開けようとしたのです。中東が混乱しないことを願います。

(安達昌二:お茶ゼミ√+特別顧問)

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