Benesse お茶の水ゼミナール
世界史B
高2生も「新テスト」を少しは意識しよう!

「習っていないものは解けない!」高2・1生がセンター試験の世界史を解いた際の正直な感想であろう。外国語・数学・国語と違い、世界史は高3の終盤にならないと受験に求められる全範囲の学習が終わらないため、現時点では50点にも届かないのが当然である。
とはいえ、残り1年(高1生は残り2年)で全範囲を終えてこのレベルの問題で高得点をとれるようにしなければならない。特に高1生は新テストに向けての対策も求められる。学年ごとに今後の世界史学習の方針を確認しよう。

【高2生に向けて】
 センター試験では「教科書レベルの基本的な知識」が「全時代・全地域・全分野」から偏りなく出題されるため、いわゆる「深さ(細かな知識)」よりも「広さ(網羅性)」を意識して学習しなければならない。確かに中心となる時代は「19~20世紀の近現代史」、地域は「ヨーロッパ・中国」、分野は「政治史」であるが、これだけを完璧に対策しても90点には届かない。従って、学習範囲のやり残しや特定の苦手分野があると大量失点につながる恐れがある。  世界史Bは教科書にして400ページ以上にわたる膨大な量の学習が必要である。そのため、古代から時代順に学習している場合、第二次世界大戦後の学習が不十分なまま試験本番を迎えるケースが見受けられる。また「東南アジア・アフリカ・ラテンアメリカ史」「文化史・社会経済史」といった地域・分野を苦手としている現役生が多い。確実に高得点をとるためには、これらの領域を含めた網羅的な学習が求められる。なお、今回のセンター試験では知識と考察の両方が求められる2年後の新テストを意識した問題が散見された(問題番号21,23)が、この傾向が次年度も踏襲される可能性がある。今後の学習に当たっては、人名や事件名を覚えて終わり!ではなく、他の地域や後の時代に与えた影響・歴史的意義などその用語の発展性を意識しよう。

【高1生に向けて】
 「新テストに向けてそれなりの対策を立てなければいけない」といった話はもうn度目になるかと思うが、重要なことなのでn+1度目の話をする。いわゆる新テストは各地域・時代の出来事に関する基本的な知識をもとに、問題文にある史料(資料)やグラフ・地図から「導き出せること」と「導き出せないこと」を吟味するといった知識と考察の両方が試されるテストである。考察のほうに注意が向きがちだが、世界史における学力の土台となる人名や事件名といった暗記を軽んじてはいけない。今後の学習に当たっては、まずは覚えるべき基本的なことを覚えたうえで、教科書の脚注などに記載されているコラムや学校の副教材として配付されている図説などを用いて各出来事が他の地域や後の時代に与えた影響・歴史的意義などを意識すると世界史という教科がより楽しくなるうえに新テストの対策にもなる。


第1問歴史的建造物や遺跡先史時代や現代史からの出題が見られた。世界史では,時代において学習の偏りは禁物である。特に,第二次世界大戦終戦をもって世界史の学習を終わらせないように注意したい。
第2問記録や文字地図問題や文化史に関する問題が出題された。世界史ではこういった知識も頻出なので,普段の学習時から地図帳や資料集をよく見ておくことが大切である。
第3問国際関係グラフ読み取り問題や地図問題が出題された。これらの問題は,史料の読み取りと世界史の知識の2つが求められる。最も新テストを意識した形式の問題であった。
第4問宗教と政治前近代史からの出題が多く,また正誤問題が中心で,センター試験で典型的な問題が多く出題された。基本的な知識を押さえていれば正答を導き出せるということが実感できたであろう。


平均点変移
20182017201620152014
67.9765.4467.2565.6468.38