Benesse お茶の水ゼミナール
地学基礎
地学基礎~普通のことを普通に学習すればよい~

本年の問題も昨年と同様にしっかりと勉強していれば高得点が期待できるでしょう。ただ,何問か判断に困る問題もあったと思われます。全体としてはやや易化~昨年並みではないでしょうか?
さて,マイナー科目「センター地学基礎」です。はっきり言ってしまえば,
①覚える+理解する  ②演習する
ただ,これだけなのです。①は言うまでもありませんね。例えば化石の名称とその時代は覚えるだけです,しかしただ暗記しているだけでは解けない問題も出題されています…

【今年のセンター地学基礎】
地学基礎の範囲は大きく分類すると,「固体地球」「岩石・鉱物」「地史・地質」「大気・海洋」「天文」「災害・環境問題」の6分野である。
今年度は昨年と同様に,大問は3題となった。また,第1問がA・B・Cに細分化されていた。今年度は「災害・環境問題」からの出題がないが,実質的に全分野から満遍なく出題されていると考えてよい。
昨年と同様に設問数が15,実質解答時間が30分である。今年度の問題は,時間的にも適切あったであろう。
私が問題を解いた感想ですが…
「去年と同じぐらいの難易度?」「図表多くないか?」「計算増えた?」
① 写真・図・表の読み取りが8題
(第1問A:問2・問3,第1問B:問4・問6,第1問C:問7・問8 第2問:問1・問2)
② 計算問題が4題
(第1問A:問2・問3,第1問C:問8・問9)
…と出題された(①と②にまたがる問題もある)。
昨年度に比べるとどちらのタイプの問題も増えているのが特徴的である。
また,昨年度は出題されなかった写真の問題が,本年度は出題された。

ここからは本年度の問題で特徴的なものを簡単に記す。
【各大問における特徴的な問題】
第1問A問1:知識としては基本問題なのですが,少し戸惑ったかもしれません。

第1問A問3:火山列に関する基本問題であるが,ホットスポットの位置が記されていないので,解きにくかったかもしれません。
年代から火山の間隔の大小を考慮しないといけないとこともポイントです。

第1問C問8:色指数の計算問題です。問題文中に「各鉱物内に含まれる黒丸の数の比が,体積比を表す」とありますので,黒丸の部分が輝石・角閃石になっているものを数えればOKです。

第1問C問9:単なる加重平均の計算ですが,面食らった受験生も多かったかもしれません。割合・比などの概念が苦手な場合は早急に対策しておきましょう。

第2問
問2:気象衛星赤外画像。盲点だったかもしれません。教科書の図・写真の大切さがわかります。

第3問
問2:bの選択肢がやや細かったかもしれません。主系列星で水素→ヘリウムまでは基本事項なのですが…
問3:やや細かい内容ですが…
H30年11月実施(大学入学共通テスト(試行調査))の地学基礎で…
第3問B問5
宇宙誕生後に起こった次の出来事ウ~オを,古いものから新しいものの順に並べたものとして最も適当なものを下の①~⑥の中から選べ。
 ウ 最初の恒星の誕生
 エ 最初の水素原子核の誕生
 オ 宇宙の晴れ上がり
(選択肢省略)
というものが出題されていました。これを解いて,しっかりと復習していたらラッキーだったかもしれません。

【高1・高2生へ-今後の勉強法と対策-】
① まずは中学理科の復習。これが最優先。
② 学校で地学基礎が開講されている場合は,その授業を大切にしましょう。定期試験を区切りにしてしっかりと覚えることは覚えましょう。今の段階では忘れてもよいです。高3でもう一度勉強するときに,「聞いたことがある」のと「初耳」では理解・暗記のしやすさが違います。
③ 普段の生活で地学に意識を向けて欲しい。地学は総合的な科目であり,最新の内容が教科書の改訂の度に反映されていきます。教科書に載ってない内容が直接問われる訳ではありませんが,興味を持つことは大事です。
④ 教科書や資料集の図・写真を定期的に眺めましょう。重要なものは,ポイントを踏まえて描けるようになるのが理想です。きっと本番で役に立ちます。
⑤ 暗記から逃げない。とにかく基本的な知識は覚えてしまうしかない。どんなに遅くても高3の夏期講習の時期からは始めておかないと間に合わないのが現状です。化石の名前と年代なんていうものは,考えても仕方がないですし。
⑥ お茶ゼミ地学科では,「夏期講習」「冬期講習」「全4回のお茶ゼミ模試」で地学基礎の対策を行っています。独学では学習が難しい分野横断問題や計算・図表問題などの対策のためにも是非受講を!


第1問A固体地球どの問題も典型問題ですが,問3がやや解きにくかったかもしれません。
第1問B地質・地史どの問題も典型問題です。問4の(エ)に注意。
第1問C火成岩・火山問8の色指数の計算,問9の計算が面食らったかもしれません。
第2問気象問2の気象衛星赤外画像が盲点だったかもしれません。
第3問天文赤色巨星の内部は盲点かもしれませんが,全体的には典型問題です。