全体として昨年より若干難化した様である。今年のセンターは、ダイオードやX線の発生の仕組みなど、物理学習して行く上で後手にまわりがちな分野もきちっと学習してきたかが結果に大きな差を生んだものと思われる。
第1問 (小問集合)
問1は運動方程式をしっかり言い換える練習をしていれば、運動量に変化を与える物理量は力積であり、運動エネルギーに変化を与える物理量は仕事である事は直ぐにわかる。
問3は写像公式におけるa,bが共に0.5mである事をとらえられたか?が重要で、スクリーンに写る像はセンターでは超頻出の話題なので要チェック! これと同様に鏡に写る像の問題も同時にチェックしておこう。
第2問 (電磁気)
Aはダイオードの問題で、全く平易な問題なのだがダイオードの仕組みを理解していないと、全く手が出なかった人もいた様だ。順方向電圧とは? P型とは? N型とは? 整流作用とは? しっかり復習しておこう。
Bは磁場中での導体棒の様子を問う問題であるが、これは導体棒が止められている時の電流の流れと、導体棒が終端速度で運動している時の電流の流れがイメージ出来たか?が鍵となる。電位を意識して回路の方程式を組み立てる事がポイントである。
第3問 (波動)
Aは薄膜の干渉がテーマとなっている。光の干渉を考える際、光路(光学的距離)で考えるか、経路(幾何的距離)のどちらかで考える必要があるので、どちらを選ぶかをまずはじめに選択し、途中反射による位相の変化に注意して強め合う条件や弱めあう条件を書く必要がある。本問では距離をn倍にしているので光路の立場を取っていることがわかる。この際波長はそのままλで扱って良い。
また光が様々な物質中を屈折して進む際、最初と最後が同じ媒質の場合それら2つの光線は平行になるなどの予備知識は助けになるであろう。
Bは音源が単振動しながら、ドップラー効果の影響を考えるという少々馴染みの無い形にとまどった人もいるかも知れないが、近づいたり遠ざかったりしているだけなので難問には当たらない。あと波の式には是非慣れていて貰いたい! 今後問題として、出題される事が多くなると予想される。
第4問 (力学)
Aは加速した電車の中で物体を観測すると慣性力と動の合力が見かけ上の重力加速度が右斜め下となる事に注意して問題を見て欲しい。加速した電車の中ではいわゆる下方向が、変化するのである。座標を定め等加速度運動の公式より軌道式も出なくはないがここは直感力を養おう。
Bは典型的な円運動の問題なので中心方向の運動方程式とエネルギー保存則を連立出来る様にしておこう。
第5問 (熱力学)
定積変化と定圧変化による典型的な熱サイクルの問題であるが状態方程式によると一定の体積の場合、気体の圧力Pは温度Tに比例する事がわかる。これが見えているとグラフが選びやすかったのではないだろうか?
第6問(原子)
選択ではあるが原子からはX線の発光の仕組みが出題された。非常に平易な問題であるが、原子分野はあまり力を入れない人が結構多く存在する為熱力に逃げた?人が多いのではないかと予想する。君はどうだった? 原子分野もしっかり手を抜かずに頑張って取り組んで欲しい。
第1問 | 小問集合 | ①運動エネルギーと運動量 ②点電荷の作る電場 ③凸レンズ ④気体がした仕事 ⑤単振動の周期公式 |
第2問 | 電磁気 | A. ①直流回路中におけるダイオードの性質 ②交流回路中におけるダイオードの性質 B. 磁場中における導体棒に作用する力と運動 |
第3問 | 波動 | A.薄膜による干渉 屈折して進む光の進路と像 B.ドップラー効果と波の式 |
第4問 | 力学 | A. 非慣系における物体の運動 B. 鉛直面内における半径の異なる円運動 |
第5問 | 熱力学 | 定積と定圧変化による熱サイクル |
第6問 | 原子 | X線が発生するしくみ |
平均点変移
2018 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014 |
62.42 | 62.88 | 61.70 | 64.31 | 61.64 |