Benesse お茶の水ゼミナール
数学IA
確率の問題がやや難しかった(かもしれない…)

全体的に、奇抜な問題は存在せず、まじめに勉強していた高校生であれば、充分高得点が期待できる出題が並んだ。
低学年の皆さんであっても、平均点を超えることはできたと思う。
逆に、大きく点を失った設問は苦手な分野であるはずなので、そこをしっかり学習することをお勧めする。
では、それぞれの設問について細かく見ていこう。

第1問
[1]絶対値の場合分けの問題であった。場合分けの誘導があるので、誘導に乗れば容易に解答できる問題であったが、誘導がなくても解けるように準備をしておくべきである。
[2]命題の問題。2つの自然数の和と積が偶数、奇数であるときの2つの自然数の偶奇を考える問題であり、pの否定を正確にかければ容易に解ける問題であった。
[3]2次関数の頂点、最大最小、平行移動の基本問題であり、計算量も少ないので完答したい問題であった。

第2問
[1]余弦定理、sin,cos,tanの符号は確実に押さえよう。180°-θの公式も必須である。
三角形の面積公式はたくさんあるが、ここでは既知のsinを使うのがよい。図形的に面積比を考える視点もほしい。
[2](1)同じデータでも「最大値の大きい順」など色々な見方をしよう。
(2)「四分位範囲」など語句の意味を正確に押さえること。
(3)データを1次関数で変換する問題は頻出である.復習しておくべき。「ニ」は目盛まで見ること。

第3問
題材としては、ⅡBの確率漸化式だが、気づかない、知らなくても、ひとつずつ場合分けしていけば解ける。図などを使って考えるとわかりやすい。
(3)は1回目で赤玉を出す確率も忘れずに考えられるかがポイントである。
(4)の2つ目の条件付き確率に時間がかかるかもしれないが、慌てずに1回目から順番に考えれば難しくない。
後半は、作業の回数が2回になるだけで、難しくはない。

第4問
(1)は何回も経験のある問題であろう。これは必ず正答しておきたい。一次不定方程式の解をひとつ見つける方法は、幾つかあるので、すべて確認しておくべき。
全体を通して誘導が丁寧であるが誘導にのれないと難しい。教科書に載っているような単問しか経験がない人は誘導問題の意図が把握できない傾向にある。そのため、模試などで点がとれないことになる。このような形式の問題に多くふれ、慣れていきたい。

第5問
本問は、面積を利用した三角形の内接円の半径を求めさせる問題からスタートしているが、その求値方法についてはきちんとマスターしておきたい。
後半では、チェバやメネラウスの定理、方べきの定理などの初等幾何の基本的な定理を用いるが、定理を覚えるだけでなく、その運用の仕方についての練習をしておきたい。
なお、図形問題では図を自ら書いて解くことがポイントになる。これは平素の学習で心がけておくことが重要である。
選択問題は、明らかに第5問の平面図形が簡単であった。
ただし、毎年同じことが起こるとは言えないので、必ず選択しなかった問題も復習しておこう。

第1問小問集合[1]数と式 [2]必要条件十分条件 [3]二次関数
第2問小問集合[1]図形と計量 [2]データの分析
第3問場合の数・確率確率の計算、条件付き確率
第4問整数一次不定方程式、最大公約数、素因数分解
第5問平面図形チェバの定理


平均点変移
20182017201620152014
61.9161.1255.2761.2762.08