Benesse お茶の水ゼミナール
地理B
ウクライナとウズベキスタンの比較地誌。まさかのそこですか!!

【出題構成】

2019年
大問数…[6題]
マーク数(解答数)…[35]
2018年
大問数…[6題]
マーク数(解答数)…[35]
2017年
大問数…[6題]
マーク数(解答数)…[35]

※昨年と変わらずの構成
【難易度】
地理的思考力が必要な問題が多く、2択にしぼった後、最終判断で迷う問題が多くなっています。センター地理Bの平均点は62点~68点のレンジに収束する年がほとんどです。一つの目安に知っているとよいでしょう。1問3点の問題がほとんどです。ですから、例年、この時期、やれ難化した、易化したといっても2問~3問程度の差です。でも点数にすると6点~9点ですね。意外に大きいですよ。センター地理って、この平均点くらいなら、どの科目よりも容易に得点できる科目かもしれません。ただし、これが80点、90点を狙うとなると、「急に牙をむく」性格があります。ちなみにお茶ゼミの地理クラスは、センター地理の平均点が80点を軽くこえる年がほとんどです。やはりスタートとなる2月・3月から始めると成果がでるようです!!

【新高3生・高2生にむけて】
各大問ごとの出題内容は、地図・図表・統計・画像(写真)などを用いた問題が多いことなど例年通りで、資料・データを読み取る能力が要求されていることが分かります。出題の傾向はほぼ固定されていますので、あたりまえのことですが基本を繰り返した学習と過去問分析がもっとも重要です。新高3生・新高2生になる皆さんは、なるべく早い時期からセンター対策の準備を進めることをお勧めします。英数国より後でよいといった考え方は好ましくありません。実際にはもう1年切っていますから、今日からはじめてください。新高2生も1日も早くその準備に取りかかってください。センター試験を受け終わった過去の先輩たちの後日談であり、最も適切なアドバイスです。まずは2月の「準備特講」からです。そこからがスタートです。「地理的に考える」ってどういうことかよく分からない人は、授業でお会いしましょう。

【第1問】 世界の自然環境と自然災害
※プレートテクトニクスに関連する出題がなかった点では珍しい年。

問1 土壌と植生についての正誤問題。
問2 地形断面図、ウラル山脈を横断していることに気がつくこと。
問3 河川の月平均流量の組合わせ。
問4 ハイサーグラフの判定。
問5 北極海および周辺地域の環境変化やその影響の正誤問題。
問6 熱帯低気圧・台風による災害の特徴の正誤問題。

【第2問】 資源と産業
※6つの小問すべてがコーヒーに関連しているという特定の産物に特化した新傾向の大問設定。

問1 1990年と2016年のオリーブ、オレンジ類、コーヒー、トウモロコシの生産量の地域別割合。
問2 コーヒー(アラビカ種)の原産地。
問3 コーヒーの流通過程と取引の価格。
問4 コーヒーに関連して、アメリカ合衆国、日本、ブラジル、ロシアの牛乳、サトウキビ、テンサイの生産量。
問5 コーヒーを輸出するインド、エチオピア、コートジボワール、ベトナムの輸出品目。ベトナムが問われているが、ベトナムは「はきもの」の輸出に特徴がある。
問6 各都道府県の喫茶店、牛乳処理場・乳製品工場、水産食料品製造業の事業所数の組合わせ。喫茶店数は、各都道府県人口とほぼ対応すると考えたい。

【第3問】 都市と村落、生活文化
※景観写真問題に十分な対策を。

問1 パリとその周辺地域の景観写真の組合わせ。
問2 キャンベラ、クアラルンプール、ソウル、ペキンの4都市の巨大企業の本社数、国の総人口に占める人口割合、国際会議の年間開催件数からクアラルンプールを答える問題。オーストラリアの国際会議は、シドニーやメルボルンなどの大都市での開催が多いはず。
問3 ヴァラナシ(ベナレス)、チョンチン(重慶)、ヤンゴン、リヴァプールからヤンゴンを選ぶ問題。三角州(デルタ)、旧首都、米や木材の交易をヒントにできる学力は必須。
問4 信仰する人々が最も多い宗教が共通する、旧宗主国と植民地との組合わせ。
問5 奈良盆地の地形図から、時代の古い集落からの並び替え。問4・問5ともに歴史に関する学びも必要となる。
問6 公立の劇場・音楽堂、国宝(建造物)、国立公園の広報・展示施設の分布の組合わせ。劇場・音楽堂が公立なので、すべての都道府県に分布していると考えてよいだろう。

【第4問】 地中海沿岸地域
※海洋を中心とした地誌問題はセンター試験の定番

問1 4地域・地点の自然環境についての正誤判定。
問2 4つの海峡に関する正誤判定。①と④の正誤判定がやや難。
問3 コルクガシ、テンサイ、ナツメヤシの産地の組合わせ。
問4 アルジェリア、イスラエル、モロッコの輸出額に占める品目別の割合の組合わせ。イスラエルではダイヤモンド工業が発達している。
問5 地中海沿岸地域の都市の成り立ちや社会経済状況の正誤判定。イスラーム教圏の都市には迷路型の道路網が見られるが、それは「新市街」ではなくて「旧市街」の特徴。難。
問6 イタリア、ギリシャ、スペイン、フランスの国籍を新たに取得した人の、取得前の国籍の上位3か国とその人数。ギリシャ、イタリアの二択までは絞れるがその後は難。

【第5問】 ウクライナとウズベキスタンの比較地誌
※比較地誌は予想されていた出題だったが、それをウクライナとウズベキスタンと予想していた人は皆無だったのではなかろうか。意外な地域からの出題だったが、問題の難易度は実は標準的。しかし、この地域まで学習を網羅した人たちは少なかったと考えられるので、その人たちには難問として立ちはだかったかもしれない。

問1 高度別面積の割合と雨温図から、ウズベキスタンの組合わせを選ぶ問題。表1の高度別面積割合の識別がやや難。
問2 農産物と鉱産物の生産量からウズベキスタンの組合わせを選ぶ問題。ウズベキスタンが綿花生産地であること、ウクライナのチェルノーゼム地帯の農業の特徴と同国が鉄鉱石、石炭の産地である知識が最低限必要。
問3 両国の経済活動の変化とその要因に関する正誤判定。
問4 ウクライナ、ウズベキスタン、日本の牛肉、鶏肉、豚肉、羊肉の人口1人当たりの年間生産量、1人1日当たりの食料供給量の組合わせ。肉類の問題は、その国の宗教を考え、禁忌となる肉類を推測する。
問5 ウクライナ語とウズベク語の数字の1~4および、ウクライナとウズベキスタンの街並みを撮影した写真からウクライナの組合わせを選ぶ問題。言語は隣接国の言語に近いと推測でき、写真1のGには、イスラーム教のモスクが確認できることから正解を絞ることができる。

【第6問】 宮崎市とその周辺の地域調査
※地域調査の問題は、答そのものは容易なものが多いが、正解に至るまでに読み込む文章や図表の情報量が多いので時間がかかる。来るべき新テストは、資料解析型なので、すべての大問がこのような出題傾向になるのだろうか。

問1 大阪市と水戸市、佐賀市、宮崎市の1969年と2016年の鉄道所要時間の組合わせ。設問に1969年当時は東海道新幹線しかないとあるので易。
問2 宮崎市への観光客数の特徴と気候との関係の正誤問題。易。
問3 5万分の1地形図中の4地点の写真とその地点の自然環境や土地利用の正誤問題。
問4 宮崎市市街地の1976年と2014年の土地利用の変化の正誤問題。易。
問5 宮崎県における乾燥シイタケの生産量、キュウリの作付面積、早場米の作付け面積の組合わせ。図1の地形の情報から山間部で多いのが乾燥シイタケ。キュウリと早場米の識別が難しいが、図6の耕地面積当たりの農業産出額で高位の地域は、集約的な園芸農業地域が多いと考えれば、キュウリの作付け面積とほぼ一致する。やや難。
問6 口蹄疫メモリアルセンターでの会話文中の組合わせ問題。会話文すべてを読むのは一手間だが、読み終えてみれば常識問題。


第1問世界の自然環境と自然災害自然環境の学習はグローバルな視点で!
第2問資源と産業すべてコーヒー関連とは!!
第3問都市と村落・生活文化都市はよく出るぞ!
第4問地中海沿岸地域海洋中心の地誌問題はセンター試験の定番。
第5問ウクライナとウズベキスタンの比較地誌まさかのウクライナとウズベキスタンの比較。
第6問宮崎市とその周辺の地域調査文章量が多くて、それが大変です。


平均点変移
20182017201620152014
67.9962.3460.1058.5969.68