Benesse お茶の水ゼミナール
世界史B
脱・「第2グループ」を意識した学習

 主要科目である英・数・国とは異なり、未習範囲が多く残っている高2・高1生にとって現時点でのセンター世界史Bは「100点満点ではなく30~50点満点のテスト」となったことであろう。
 しかし、1年後(高1生にとっては2年後)には85点以上の高得点が獲得できていないと、国公立大学はおろかセンター利用形式の私大受験においてもMARCH以上の難関大学合格には不十分である。
 従って、今後はこの「差」を埋めることを意識して学習に取り組むこととなる。ちなみに実際に問題を解いたみなさんは体感したであろうが、センター世界史Bに関しては「既に習った範囲に関しては教科書レベルの基本的な難易度」なのである。つまり、「問題自体の難易度」よりも「出題範囲の広さ」が厄介さの原因ということになる。

 もちろんこれは高3生になり既習範囲が増えることで解決されていく問題であり、地域は「ヨーロッパと中国」、時代は「19~20世紀の近現代史」といった受験世界史の王道分野をきちんと押さえていれば、ほとんどの受験生が70点レベルには到達する。
 特に今回のセンター試験も65点前後の平均点が予想されるため、受験生の得点分布をグラフ化すると70点台に大きな固まりができるはずである。しかし、この固まりは90点台のトップランナーたちが形成する「先頭集団」の後方に位置している「第2グループ」であり、上述の通り70点台というのは他科目の得点状況にもよるが、国公立大学はおろかセンター利用形式の私大受験においてもMARCH以上の難関大学合格には不十分な得点である。
 そこでみなさんはこの「第2グループ」から抜け出し、90点以上の「先頭集団」に加わることを目標として今後の学習に臨んでもらいたい。

【1】学習範囲の「抜け」「漏れ」を無くす
 近年のセンター試験は近現代史(19~20世紀)からの出題が中心であるものの、「全時代・全地域・全分野」からの出題を特徴としている。
 従って、学習範囲のやり残しや特定の苦手分野があると大量失点につながる恐れがある。世界史Bの学習量は教科書にして400ページ以上にわたる膨大な量であるため、学校で先史時代から時代順に学習している場合、戦後史の学習が不十分なまま試験本番を迎えるケースが見受けられる。
 また地域に関しては「東南アジア・アフリカ・ラテンアメリカ」、分野に関しては「文化史」といった領域を苦手としている現役生が多い印象を受ける。ちなみに今年度は「東南アジア・アフリカ・ラテンアメリカ」からは9問、「文化史」からは10問出題されている(選択肢の一部に使用されているものを含む)ため、これらの領域の「抜け・漏れ」を無くすことが必須となる。理想はセンター試験の2~3ヶ月前までに全範囲の学習を終了させ、以降は知識の再確認と問題演習に時間を使いたい。

【2】センター試験特有の出題形式に慣れる
 センター試験は学校の中間・期末テストで問われるような教科書で太字になっている人物名・事件名などの用語をそのまま問う問題ではない(ここ2年、用語そのものを問う単答式の問題は出題されていない)。全36問は四択正誤判定や選択組み合わせ(二文の正誤を判定する問題)、年代整序(各出来事の適切な時期を判断する問題)で構成されており、都市や島などを地図中の位置から正誤判定するものも含まれているため、これらの出題形式に慣れる必要がある。
 従って、普段から各出来事の因果関係や時系列順および、学校で副教材として使用している資料集を用いて地理上の位置を意識した学習に取り組んでおきたい。


第1問世界史上の宮廷や宮廷文化学習の盲点となりやすい文化史が特徴的だった。完答には各文化人が活躍した時期の把握が求められる。
第2問世界各地の文化遺産ヨーロッパ史・中国史といった頻出地域からの出題であったが、第1問と同じく各出来事の時期・順序が求められた。
第3問世界史上の戦争とその影響19・20世紀からの近現代史が中心であった。特に第二次世界大戦後の歴史(戦後史)の抜け・漏れは禁物。
第4問世界史上の宗教と政治の関係西アジア(イスラーム世界)・東南アジア・ラテンアメリカからの出題が中心。90点以上を目指す場合これらの地域の対策は必須。


平均点変移
20152014201320122011
65.6468.3862.4360.9361.46