Benesse お茶の水ゼミナール
地学基礎
地学基礎~冬が明けて春になる~

地学基礎の出題となって2年目であるが,明らかに易化した。
旧課程の地学Ⅰから続いていた冬の時代がついに明けたといってよい。
さて,マイナー科目「センター地学基礎」です。学校で地学基礎が開講されてないよーという方々へ。
① 覚える+理解する ② 演習する
ただ,これだけなのです。①は言うまでもありませんね。化石の名称とその時代は覚えるだけです,しかしただ暗記しているだけでは解けない問題も出題されています。

地学基礎の範囲は大きく分類すると,「固体地球」「岩石・鉱物」「地史・地質」「大気・海洋」「天文」の5分野である。
今年度も,昨年と同様に,大問は3題である。今年度は昨年とは異なり,大問1がA・B・Cに,大問3がA・Bに細分化されていた。
大問数は3つであるが,実質的に全分野から満遍なく出題されていると考えてよい。
昨年と同様に設問数が15,実質解答時間が30分である。今年度の問題は,時間的にも適切あったであろう。
私が問題を解いた感想ですが…
「選択肢わかりやっすい!というか選択肢少な!正誤の組み合わせ減ったわ!」
ちなみに昨年は,
3つの文の正誤の組み合わせ問題が2題,それとは別に,選択肢が7~8個ある問題が4題。
さて,問題の今年の出題ですが
2つの正誤の組み合わせ問題が1題,他は全て4択である。
誰が見ても,明らかに簡単になったと思うであろう。

地学基礎の今年の問題は「基本的な知識でなんとかなる」であった。
文章の選択以外に
①図・表の読み取り+考察問題が5題
②計算問題が1題
が出題されたが,計算問題の量が昨年に比べて激減している(昨年は4題)。
ここからは,①・②および新課程らしい問題に焦点をあて,本年度の特徴的な問題について簡単に記す。

第1問A:問2は自然災害に関する問題であるが,常識的に考えれば液状化現象が答だとすぐわかる。問3は図の選択であるが,中央海嶺から離れるほど古い年代を示すことを考えれば答は明らかである。
第1問B:問4の地質断面図は平易。問題は問5である。与えられた図と,古生物・年代の知識を正確に対応させないと解答は厳しい。
第1問C:問6・問8は鉄板中の鉄板である。問7の正解の選択肢にハザードマップが登場。実は昨年の追試験にも登場している。災害・環境系の問題は今後も要注意である。
第2問: 問2はややグレーな問題な気がするが,間違いの選択肢が明らかであるので消去法で解いた受験生も多かったと思われる。
そして,唯一の計算問題である問3であるが,単位の換算が出来れば非常に簡単な問題であった。しかし,急いで解くと焦るかもしれません。
第3問A:過去問演習をしていれば容易に間違いに気がつける。他の選択肢が新課程らしい。
第3問B:問2は木星型惑星の性質がわかっていれば容易に答がでる。ちなみに②は中学理科の内容といったほうがよいかもしれない。

高1・高2生へ-今後の勉強法と対策-
① まずは中学理科の復習。これが最優先。
② 学校で地学基礎が開講されている場合は,その授業を大切にしましょう。定期試験を区切りにしてしっかりと覚えることは覚えましょう。今の段階では忘れてもよいです。高3でもう一度勉強するときに,「聞いたことがある」のと「初耳」では理解・暗記のしやすさが違います。
③ 普段の生活で地学に意識を向けて欲しい。地学は総合的な科目であり,最新の内容が教科書の改訂の度に反映されていきます。教科書に載ってない内容が直接問われる訳ではありませんが,興味を持つことは大事です。
④ 教科書や資料集の図・写真を定期的に眺めましょう。重要なものは,ポイントを踏まえて描けるようになるのが理想です。きっと本番で約に立ちます。
⑤ 暗記から逃げない。とにかく基本的な知識は覚えてしまうしかない。どんなに遅くても高3の夏期講習の時期からは始めておかないと間に合わないのが現状です。化石の名前と年代なんていうものは,考えても仕方がないですし。
⑥ お茶ゼミ地学科では,「夏期講習」「冬期講習」「全4回のお茶ゼミ模試」で地学基礎の対策を行っています。是非受講を!

 今年度も,夏期講習・冬期講習・お茶ゼミ模試で扱った内容が多数出題されました。詳細は近日発行予定の「センター試験分析冊子」でお伝えしたいと思います。


第1問A:固体地球固体地球に関する様々な知識が問われた。問題は基本的
第1問B:地史・地質地質断面図は平易であったが,地史についてはかなり正確に覚えていないと困難
第1問C:火山・岩石特に難しい問題もなく,基本的な出題である。今後はハザードマップに要注意。
第2問気象計算問題で単位の換算が必要であったが,全体としては解きやすい。基本的な知識ですべて正解が導ける。
第3問A:銀河新課程らしい出題である。過去問の類題が正解であったので,過去問演習の重要さがわかる。
第3問B:太陽系の天体選択肢に彗星が登場。実は昨年の追試験にも出ていた。また,中学理科っぽい内容も選択肢に含まれていた。