Benesse お茶の水ゼミナール
現代社会
暗記力に頼った学習では高得点は無理。本質的学習を心がけよ。

 「私は何のために、この世界で生きているのだろうか。」という根源的な問いから始めなければならないのが「現代社会」という科目である。世界の中で起こる、さまざまな人為的事象を常にこの問いの下で考察していくことが「現代社会」の本質的学習であり、この学習を通して、はじめてセンター試験での高得点が実現するのである。この根源的な問いも無く、暗記力だけに頼った学習だけでは、今のセンター試験では85点以上の高得点をマークするのは困難であるといえる。
この根源的な問いに対する答えの一つとして考えられるのが、「幸福になるため。」という答えである。この世界に不幸になることを望み生きている人間など誰一人として存在しない。そして、この「幸福になるため。」という目的のなかには、自分自身の幸福の追求はもとより、多くの人々や社会の幸福追求ということが含まれている。このことから、「現代社会」という科目は、個人や社会の幸福追求のために必要な知識や方法を習得するためのものであるといえる。
今年のセンター試験の第1問は幸福追求をテーマとした問題である。現実の社会の中で生じている労働問題、市場の限界、不平等などを取り上げ、リード文の最後は「異なる考え方を相互に認めつつ利害を調整することや、より良い社会のあり方の探求が重要であり、さらに誰でも開かれた公正な社会を構築することが望まれるだろう。」という一文で結ばれている。この一文は、「現代社会」の学習が何を目指しているのかを明快に言い表しているといえる。
以上のことから、センターの問題では、基本的に現実の社会のなかで生じた人間を不幸に陥れるような事象(紛争・環境破壊・労働問題・消費者問題など)を取り上げ、それを克服するためにはどうしたらよいのかという出題形式にならざるをえないと考えられる。
そこで、受験生が現代社会の本質的学習を行う際には、第一に社会の中で人間を不幸に陥れている事象を知っておく必要がある。そのためには、毎日、新聞やテレビニュースなどに触れ、人間を不幸に陥れる事象や自分の幸福追求を阻害する事象に注目して、じっくりと考察することが重要である。
しかし、そのような事象を正しく認識して考察するためには、基本的な認識の枠組みとなりうるパースペクティブ(見取り図)が形成されていることが前提となる。そこで、それを形成するために必要なものが「現代社会」の教科書レベルの基本的知識の習得ということになる。したがって、教科書レベルの基本的知識の習得はあくまでも「現代社会」の本質的な学習に入るまえの準備段階にしか過ぎないということである。
受験生のなかには、受験の直前まで一問一答形式の問題集で暗記力重視の学習をしている人がいるが、それは全く不毛な努力である。百歩譲って一問一答の学習が必要であるというのならば、その学習は遅くとも夏休み前までに終わらせておくべきものと考える。この類の学習はあくまでも「現代社会」の本質的学習の準備段階にすぎないのだ。
また、受験生の中にはよく「公民科目(現代社会・政治経済・倫理)なんて短期間の自習で十分だ。」という声がある。しかし、自分で勉強ができるのは本質的学習の準備段階までであって、センター試験で高得点をマークするためには、十分な知識と経験をもった講師の指導が必要不可欠となる。その点、お茶の水ゼミナールの公民科講師陣は本質的学習を促すための高度な知識と指導力をもっていると自負している。
冒頭で述べたように、「現代社会」を学ぶことは、「私は何のために、この世界で生きているのだろうか。」という根源的な問いから始まるため、センター試験に向けての「現代社会」の学習は単に高得点をとるための手段にとどまらず、人類の幸福追求という壮大な目的にまで結びついたものであるということを心に留めて学習することが受験勉強のモチベーションを高める上でも重要であるといえる。


第1問幸福追求について労働問題、市場の限界、政府の役割についての総合的問題
第2問現代社会の特質大衆社会、消費者問題など現代社会の抱える問題についての出題
第3問環境問題環境問題を軸に、地方自治や財政についても出題
第4問国民所得の指標国民経済に関する総合問題。条件文問題が復活
第5問青年と社会青年を取り巻く社会情勢や経済状況に関する総合的問題
第6問グローバル化国際政治・国際経済を中心とした出題


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58.9958.3260.4552.1061.76