2012年のセンター試験が簡単だったので、2013年は難化が予想されたが、ふつうに勉強していれば9割を目指せる問題であった。唯一の難問は大問6の34のシンガポールの位置ではなかったかと思う。他はそんな難しくなかったはず。
だからセンター試験とは、教科書をしっかり理解すれば高得点も夢ではない。受験生は並べ替えの問題など、時代の違いを問われると弱いのだが、それすらも教科書を順番に頭に刻み込んでいけば克服できる。教科書はかじるように読め!しかも今日から!
今年の問題の特徴は文化史の問題が多かったことだろう。古墳文化もからめれば36問中10問、3割弱が文化史であった。これは例年に比べて多いほうである。来年度以降も2割以上は文化史が出ると思って、文化史をおろそかにしてはいけない。
ただ、文化史の問題はむしろ得点源で、教科書をしっかり読み込めばできる簡単なレベルのものしか出ない。それらを学校の定期テストの範囲の時などの機会に、早めに学習しておけば、高得点が期待できよう。
次に、今年の特徴として地図・写真・表・グラフの問題が多かったことである。先ほど述べたシンガポールの位置は難問だが、基本的にこれらの問題は、当日読みとればできてしまう。なのでさほど憶することはないが、地図問題で全問正解できるように、やはり教科書に載っている地図は、しっかり目を通しておくと良い。
受験生の苦手な並べ替え問題については、日頃から人名やできごとを一問一答的に暗記するのではなく、それぞれの前後関係を把握しておけば、得点できるようになる。今年は大問4の23に並べ替え問題があった。Iが人足寄場、IIが大塩の乱、IIIが関東取締出役である。並べ替えができるかな?この問題はすべて江戸後期なので、やや難しい。
高3は1月期の直前の授業でやった演習で類題があったので、比較的容易だったと思う。関東取締出役は1805年というのは覚えておくに越したことはないのだが、人足寄場が設置された寛政の改革は1787年~1793年で関東取締出役より前なのだ。大塩の乱は下手したら中学生でも知っている1837年である。
最後に正誤問題も受験生が苦手とするところであるが、日本史に前向きに取り組み、「なぜこのようなことを行ったのだろう?」という疑問を持って教科書を読み、納得すれば解けるようになると思う。
大問2の8は倭王武の問題で、「鉄資源を求めるために加耶と密接な関係を持っていた倭は、高句麗の南下を警戒して、朝鮮半島における支配権を確立するために、宋の権威を借りようと使者を送った」ことを知っていれば、得点できたと思う。
日本史は暗記しようと思わないほうがいいよ。納得しようと思って教科書を読むがいい。来年満足行く得点が取れよう!がんばれ!
第1問 | 北海道・沖縄の歴史 | 地図問題は容易。5は沖縄県設置の状況やその後の流れがまとまっていたかがポイント。 |
第2問 | 古代の統治機構 | 正誤問題が多く、選択問題も文化史がらみ。きちんと勉強しているかどうかで差がつく。 |
第3問 | 中世の仏教 | 仏教はとっつきにくいからといって後回しにしてしまうと、差がついてしまっただろう。 |
第4問 | 文治政治と秩序の衰退 | 比較的容易な問題が多かったが、23の並べ替えと24の正誤問題で注意深さが問われた。 |
第5問 | 明治期の特許制度 | 27の問題は、1月期の授業で扱ったので取れたであろう。「的中」問題である。 |
第6問 | 20世紀における軍事 | 正誤問題がやや難しい。できごとの前後関係や人物が行ったことの正確な把握が大事。 |
平均点変移
2012 | 2011 | 2010 | 2009 | 2008 |
67.92 | 64.11 | 61.51 | 57.94 | 64.27 |