お茶ゼミブログ
2022/1/19 国語 秋元
今回の国語(少なくとも「現代文(評論文も小説文も)」)は、
一言で評するとかつてなく「薄味」でした。
僕は思わず「薄っ!」と声に出してしまいました。
薄味だからといって、質が低いというわけではありません。
薄口でも関西のうどんは滅法うまいように、
第2回目の国語も至極真っ当な問を揃えてくれていました。
なぜ「薄い」のかというと、
共通テストの拘りである「複数の文章(もしくは資料)」に絡む
設問を用意する必要があり、
ただ試験時間はセンター試験の時と同じであるから、
小問がライトにならざるを得なかったのだろうと思います。
中でも評論文は本文(文章Ⅰ・文章Ⅱとも)自体も薄味でした。
※詳細は動画解説を参照してみてください。
今年も僕がやらせていただいています。
ではどう「薄い」のかを具体的に指摘するならば、
大問1の問2問3、問4問5は実は同じことを問うているので、
実質例年よりも問が2問少ないと言えるのです。
大問2の問5(ⅰ)の選択肢は正味2つだったことは驚愕でしたし、
(ⅰ)が解けたら(ⅱ)も選択肢は④⑤に絞れます。
要するにこれも実質2択。自動車の筆記試験みたいです。
大問3の新傾向(センター試験にはなかった)の問6の空欄Zも、
古文(本文)ではなく設問文だけ読めば正解がわかるし
(※詳細は動画解説をご参照ください) 、
大問4は二つの文章のうち、
一つが漢詩であるがゆえに問4がサービス問題になっています。
一見ボリュームたっぷりだけど、カロリー50%カット!
これが僕の印象です。
たしかに古文は読解力を要する問題が多かったですが、
センター試験と比較するなら特に難解だったとは言えないと思います。
ですが、おそらく平均点は昨年を下回るでしょう。
無惨な点数を取った受験生は例年よりも多い気がします。
その要因は「国語」力そのものというよりも、
「試験」力にあったのではないか、と推察します。
試験力の一つに、問題全体を俯瞰する力があります。
俯瞰しながら問題にピントを合わせる力というか、
問に触れながらエンジンの回転数を変えていくというか。
抽象的な表現で申し訳ないのですが、
これは入試問題を目の当たりにしながら
じかに毎回の授業を通してではないとうまく伝えられません。
ともあれ、共通テストで振るわなかった受験生は、
今後の試験でも力が発揮されないまま
不本意な結果になりかねないことを懸念しています。
受験を突破する十分な「力」はすでに手にしているのです。
問題は、その「力」を試験中にいかに出し切るか、です。
この1点に今後の「合否」がかかっている生徒が多いと思います。
僕は今年度もぎりぎりまで背中を押していきます。
あとは祈ります。
春は思いのほか近いです。