お茶ゼミブログ

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2020/9/23 理科 輪島


紫外線対策と化学


今回は化学の青木先生です。



はじめまして。お茶の水ゼミナール化学科の青木です。

9月も半ばになり、いくらか過ごしやすい日々になりました。

自分は夏が大の苦手なので、

やっと憂鬱な日々から抜け出すことが出来そうです。



さて、夏の間はしっかり日焼け止めを塗ったり

日傘を差したりしていたけれども、

秋冬になるとやめてしまうという人はいないでしょうか。


そもそも高校生のうちは紫外線なんて気にせずに

過ごしているかもしれませんね(自分も全く気にしていませんでした)。



しかし、肌の老化の8割は光老化によるものと言われています。

紫外線対策をするのに早すぎるということはありません。

季節や天気によらず、空に太陽がある限りは

対策をしておくのが良いでしょう。

明日からとは言わず、今から対策をしていきましょう。



紫外線対策において、手軽なのは

 ①日焼け止めを塗ること

 ②抗酸化物質を摂取すること

が挙げられます。

ここからは化学の視点も織り交ぜつつ、

一つずつ見ていきましょう。



① 日焼け止めについて

日焼け止めを実際に塗ってみるとわかるのですが、

塗った部分が白くなります。『白浮き』といわれる現象です。

自分は日焼け止めを使い始めた頃に、

分量と塗り方が悪かったのか生徒から顔色を心配されたことがあります。

この白浮きはなぜ起こるのでしょうか。



日焼け止めに含まれる成分には

『紫外線散乱剤』と『紫外線吸収剤』の2種類があります。

このうち『紫外線散乱剤』として用いられるのは

酸化亜鉛や酸化チタンといった金属酸化物です。

ピンときたでしょうか。



金属酸化物とは言ってしまえば『錆びた金属』ですから、

その多くは黒色や褐色といった濃い色をしています。

しかし、白色の酸化物もありましたね。

代表例は酸化アルミニウムや酸化亜鉛。

酸化亜鉛はジンクホワイトという白色顔料としても有名です。



この酸化亜鉛が白色粉末なので日焼け止めを塗ると白浮きする訳です

(酸化チタンも白色で、白浮きについては

こちらも大きな影響を持っています)。



ちなみに酸化亜鉛や酸化チタンは粉末ですから、

髪につくとバリバリになります。

首に塗る日焼け止めは紫外線散乱剤不使用のものを選ぶと快適でしょう。



② 抗酸化物質について

日光を浴びることはシミ・しわ・たるみの原因になるとされています。

このうち、シミの予防ついては「ビタミンCを摂取することが効果的」

と聞いたことはないでしょうか。

実際、ビタミンC(誘導体)はシミなどへの有効成分として認可されており、

様々な商品に配合されています。



そもそもシミとはどのようにして出来るのでしょうか。

メラニンという物質を聞いたことがある人は多いと思いますが、

ざっくりと言うとこのメラニンが肌に沈着してできるものがシミになります。



また、このメラニンはチロシンというアミノ酸が

多段階で酸化されることで生成され、

日光はこのチロシンの酸化反応を促進する作用を持ちます。

したがって、日光を浴びることはシミに繋がる訳ですね。



ここまでの話で「確かにビタミンCはシミ予防に良さそうだな」

と思える人は化学をよく勉強している人でしょう。



高校化学でビタミンCが登場するのはいつか。

それは、酸化還元においてです。

平成30年度に行われた共通テスト試行調査の

化学基礎でも題材にされましたが、

ビタミンCは還元剤としての働きをもち、

清涼飲料水などに加えられています。



ビタミンCはその還元作用からチロシンの酸化反応の

第一段階を阻害するため、シミ予防に効果的です。



ちなみに、ネットで調べてみると

「朝にビタミンCを摂取すると日焼けしやすくなる」

と書いている記事がありますが、これは誤解です

(自分の周りにも誤解している人は多いです)。


レモンなどに含まれる『ソラレン』という物質が

紫外線を吸収しやすくする作用を持ちますが、

ビタミンCはそのような作用を持ちませんので、

単純にソラレンとビタミンCを混同したことによる誤解だと思われます。


ビタミンCを摂取しようとして果物を食べると

ソラレンを摂取してしまう可能性がありますが、

サプリメントなどで摂取すれば問題はありません。



以上長々と化学の話なんだか美容の話なんだか

よくわからないことを書き連ねましたが、

みなさんに意識して欲しいことは

「高校化学に登場する物質は身近に溢れている」ということです。



身近な製品の成分表を見てみると、

教科書や問題集で見たことのある物質や

その仲間がたくさん登場していることでしょう。

一日の終わりに、お風呂に浸かりながら洗顔料の成分を上から読んでいく、

なんていうのも楽しい勉強法ではないでしょうか。




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