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教育費の充実まだまだ必要 白書で浮き彫り
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  • 記事作成日:2010年07月15日
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  • 学校教育にかかる保護者の負担や、国の教育予算の問題については、本欄でもたびたび取り上げてきました。先頃刊行された2009(平成21)年度版「文部科学白書」では、「我が国の教育水準と教育費」と題して、それらのデータを集大成しています。改めて、日本の教育費のどこに課題があるのかを見ていきましょう。
    一番の特色として、国が教育にお金をかける度合いが、国際的に見ても、決して高くないことが挙げられます。経済協力開発機構(OECD)の統計によれば、国内総生産(GDP)に占める国や地方自治体の教育支出(公財政教育支出)の割合は3.3%で、データのある28か国中27位と最低クラスです。その分、家計の負担が重くなっているわけですが、それでも公費・私費を合わせた教育支出の対GDP比は5.0%で、OECD平均(5.7%)を下回っています。国際統計上は、教育を大事にしている国とは呼べないのです。

    そのうえで、さらに問題が二つ指摘できます。ひとつは、お隣の韓国も含めた主要国が2000年代に入って、経済危機を打開しようと公的な教育支出を伸ばしているのに対して、日本はわずかに増やした程度で、しかも06(平成18)年は、1999(平成11)年の水準にまで戻ってしまっています。つまり、もともと教育にお金をかけないだけでなく、積極的な教育投資の努力も怠っている国だということが、国際的なデータから言えるわけです。
    そしてもうひとつは、国内的な問題です。90年代に入って、家庭の経済格差は開く一方です。かつては「一億総中流」などと言われたように、諸外国に比べて格差が小さいことが日本社会の特色と言われてきました。教育支出を私費に依存できたのも、そうした負担に耐えられる家計の格差の小ささにあったからです。しかし、格差が進めば、金銭的に余裕のある家庭しか子どもを進学させることができなくなります。

    実際、親の収入格差が、学力や進学率にもストレートに反映することが、最近の調査で明らかになってきました。よく国際的な学力調査で日本の成績が落ちてきたことが問題にされますが、よく見ると、学力の最高位層に変化はなく、低位層の増加と、中・高位層の減少が、平均を押し下げる要因となっています。これも、経済格差が学力格差に反映した結果と見ることができるのです。
    また、幼稚園から大学までをすべて国公立に通わせた場合にかかる費用は約1,000万円、すべて私立の場合は約2,300万円と、いわゆる公私間格差が大きい問題もあります。学力、経済力の両面で、子どもの教育を受ける機会が狭められてしまっては、個人としても家庭の経済格差から抜け出せないばかりか、国全体としても経済成長発展につながらないということになります。
    参議院議員選挙は終わりましたが、来年度予算の概算要求の作業はこれから本格化します。教育予算の在り方についても、これまで以上に関心を持って見ていく必要がありそうです。


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