小学生になってスポーツクラブに入ったけれど、塾にも行き始め、就学前からやっていた楽器の教室はやめた……。身近にありそうな話ですよね。小学校6年間、多くの家庭が子どもの年齢に合わせてさまざまな塾や習い事を検討しています。今回は、塾や習い事などに関する(1)母親の意識 (2)教育費 (3)塾や習い事について、学校段階や学年によっての変化をご紹介いたします。
「学校生活が楽しければ、成績にはこだわらない」「子どもの将来を考えると、習い事や塾に通わせないと不安」という2点について聞きました。
【図1 子どもの教育に対する母親の意識 (小学生・学年別)】
「学校生活が楽しければ、成績にはこだわらない」

注1 「とても+まあそう」の%。
注2 ( )内はサンプル数。
【図2 子どもの教育に対する母親の意識 (小学生・学年別)】
「子どもの将来を考えると、習い事や塾に通わせないと不安?」

注1 「とても+まあそう」の%。
注2 ( )内はサンプル数。
●学年が上がると習い事や塾の必要度も上がる?
・「学校が楽しければ、成績にはこだわらない」小1 53.8%>小6 35.4%
・「習い事や塾に通わせないと不安」が、小1 48.5%<小6 60.3%
上記の二つの設問に対して、答え(棒グラフ)は対称的な形になりました。学年が上がるのに比例して勉強を重視し、習い事や塾が必要だと感じる母親が増えています。
次に、学校の授業料、塾や習い事を含めた教育費(子ども一人・1か月分)を聞きました。
【図3 授業料を含めた1か月あたりの教育費 (小学生・学年別)】
「この1年間について、お子さま一人にかかる教育費は合計すると月にどれくらいになりますか(学校の授業料、塾や習い事、教材費などすべて含む)」

注1 平均月額は「5千円未満」を2,500円、「5千円!)1万円未満」を7,500円、「8万円!)10万円未満」を9万円、「10万円以上」を11万円のように置き換えて算出した。
注2 ( )内はサンプル数。
●全学年をとおして、一人につき1か月の教育費2万円未満が約半数
小学生の間は、1か月の教育費は2万円未満という家庭が半数を占めます。ただし、細かく見ると1か月の教育費が2万円未満という家庭は、学年を追うごとに減っていき(小1 66.5%⇒小6で47.3%)、一方で1か月の教育費が2万円以上という家庭が増えていきます。
●4年生を境に、教育費UP!
さらに、「5万円以上」の比率を見ると、小1!)小3が10%程度であるのに対し、小4で15%を超え、小6で20.1%に。つまり、1か月5万円以上が、小1!)小3では10人に1人、小4で6!)7人に1人、小6で5人に1人いるということに。それに伴い、平均教育費は小1は2万2,500円ですが、小4!)小5にかけて3万円前後まで上がります。全体的な底上げもありますが、一部の高額支出者が平均を押し上げているとも言えます。
学年別にスポーツ、芸術、教室学習、家庭学習の活動率を聞きました。
【図4 スポーツ、芸術、学習活動の活動率 (小学生・学年別)】
「この1年間で、お子さまが定期的にしていた(通っていた)『運動やスポーツ』『音楽活動や芸術活動』『塾・教室』『学習方法や使っている教材』はありますか?」

注1 スポーツ活動の活動率:「その他のスポーツ」を含む26の選択肢のうち、いずれかを選択した%。
注2 芸術活動の活動率:「その他の音楽・芸術活動」を含む14の選択肢のうち、いずれかを選択した%。
注3 教室学習活動の活動率:「その他の塾・教室」を含む15の選択肢のうち、いずれかを選択した%。
注4 家庭学習活動の活動率:「その他の学習方法・教材」を含む10の選択肢のうち、いずれかを選択した%。
注5 ( )内はサンプル数。
●小1の6割以上が家庭学習とスポーツをやっている。塾は約4割、芸術活動は約3割
まず小1のデータを見ると、すでに6割以上の子どもが家庭学習活動とスポーツ活動をやっていて、学校外教育活動に熱心に取り組んでいることがうかがえます。次いで教室学習(その他の塾・教室)は4割弱、芸術活動は約3割です。
●スポーツは中学年から微減。塾や教室へ通う子どもは学年が上がるにつれ増加
では、その後の6年間の活動率の変遷を見てみましょう。
・スポーツ=小3・小4で7割を超えたあとは減少し、小6では約6割(63.3%)に。
・教室学習=小1で約4割⇒小3で約5割⇒小6で約6割と、着実に増加。
・家庭学習=全学年を通じて7割近くで、変わらない。
・芸術活動=全学年を通じて3割台で、変わらない。
塾などの教室活動が着実に増える一方で、スポーツは小3をピークに減少傾向。小6になると家庭学習がスポーツを上回ります。学年が上がるごとに学習を重視する傾向が読み取れます。
ここで、人気のあるスポーツ活動と芸術活動のランキングを見てみます。
【図5 スポーツ活動のランキング (小学生・性別)】

注1 各活動の平均月額は、該当の活動をしている人のみ。
注2 ( )内はサンプル数。
【図6 芸術活動のランキング (小学生・性別)】

注1 各活動の平均月額は、該当の活動をしている人のみ。
注2 ( )内はサンプル数。
●スポーツはスイミングとサッカー。芸術活動は楽器の練習・レッスン
小学生がやっているスポーツ1位は男女ともにスイミング(35.5%)で、3人に1人が習っています。2位はサッカー・フットサル(10.7%)ですが、男の子がメーン。この二つが小学生のやっている2大スポーツと言えます。
芸術活動は楽器の練習・レッスンが24.3%で突出。こちらは女の子の数値が高くなっています。2位の絵画/造形3.5%、3位のバレエ3.3%と2位以下は少数です。
親の意識調査で「運動やスポーツをするよりもっと勉強してほしい」という回答が多くなるのは小4ぐらいから。また、学校外教育の何に重点を置いて支出しているかを見ても、小3までスポーツへの支出が最も多く、小4以降は塾などの教室学習の費用に中心が移るようになります。
さらに、私立や公立中高一貫校を目指して受験を決める時期は、小4で24.4%と急激に高まります。中学受験予定者は低学年のうちはスポーツ・芸術活動をやっている割合が非常に高いのですが、学年とともにスポーツ・芸術は減少し、高学年では学習中心にシフト。一方、非受験予定者はスポーツと家庭学習が6年間通じて人気があり、教室学習は学年と共に増加。スポーツ・芸術活動もどちらかといえば増加傾向になります。
「そろそろ勉強を」という親の意識変化や中学受験の影響などから、塾や習い事の見直しをする……、その時期が小4あたりにある、と言えそうです。