毎月の平均支出額、男の子16,000円、女の子17,400円。──3歳!)17歳の子どもを持つ母親に、子ども一人につき毎月いくらの学校外教育費をかけているか尋ねた結果です(図1参照。Benesse教育研究開発センター「学校外教育活動に関する調査」2009<平成21>年実施より)。今回は、この男女間でついた1,400円の差の訳と、そこに垣間見える親の意識についてフォーカスしていきます。
まず、男の子16,000円、女の子17,400円の内訳を見ていきます。
【図1 子どもの1か月あたりの学校外教育活動の費用(性別)】

注1 ( )内はサンプル数。
●女の子の芸術活動にかける費用は、男の子の約3倍!
学習・スポーツ・芸術の3分野のどこに費用をかけているか、男女を比較してみます。
・学習活動の費用の差は、ほとんどありません
・スポーツにかける費用では、男の子が1,100円上回ります
・芸術活動にかける費用は女の子が、2,300円上回り、男の子の約3倍です
女の子の教育費を押し上げているのは、この芸術活動にかける費用のようです。
●女の子の約半数が定期的に芸術活動をしているのに対して、男の子は2割弱
さらに、定期的に芸術活動をしている女の子46.1%に対して、男の子は19.2%です。特に中学生では、男女で34.7ポイントも差がついています(図2参照)。
【図2 芸術活動の活動率(学校段階別 性別)】

注1 芸術活動の活動率は「この1年間で、お子さまが定期的にしていた音楽活動や芸術活動はありますか」という設問に対して、「その他の音楽・芸術活動」も含む15の選択肢のうち、いずれかを選択した%。
注2 ( )内はサンプル数。
親が習い事を選ぶときに重視しているポイントについて、スポーツ活動と芸術活動のそれぞれについて聞いてみました。
【図3 ≪音楽・芸術活動≫習い事を選ぶ際の重視点(性別)】

注1 複数回答
注2 ( )内はサンプル数
【図4 ≪スポーツ活動≫習い事を選ぶ際の重視点(性別)】

注1 複数回答
注2 ( )内はサンプル数
●親が重視しているのは「子どもが楽しんでいる」かどうか
この結果に男女差はなく9割の親が「子どもが楽しんでいる」かどうかを習い事を選ぶ判断基準にしています。女の子のほうが男の子より芸術活動を好んで楽しんでいるから、結果的に習い事として選択する率が高いことがうかがえます。
では、視点を変えて、子どもの芸術活動とスポーツ活動に関する母親の意識について見てみます。
【図5 子どもの芸術活動に関する母親の意識(性別)】

注1 「とてもそう思う」の%
注2 ( )内はサンプル数。
【図6 子どもの芸術活動に関する母親の意識(学校段階別 性別)】

注1 「とても+まあそう思う」の%。
注2 ( )内はサンプル数。
【図7 子どものスポーツ活動に関する母親の意識(性別)】

注1 「とてもそう思う」の%。
注2 ( )内はサンプル数。
●女の子には「芸術に触れる機会をたくさん持ってほしい!」
「子どもにとって音楽や芸術の活動は必要だ」「子どもが音楽や芸術に触れる機会を増やしたい」という考えに「とてもそう思う」と答えたのは、10ポイント以上の差をつけて圧倒的に女の子の母親。芸術活動を定期的にしている女の子は多いのですが、その機会をもっと増やしたいと考えているようです。
●男の子には「芸術より勉強やスポーツをがんばって!」
一方、男の子の母親のほうが、どの学校段階でも「音楽や芸術の活動をするよりももっと勉強をしてほしい」と考えているようです。この意識は、学校段階が上がるにつれ、より多くの母親が持つようになります。
さらに、「子どもにとって運動やスポーツは必要だ」「子どもが身体を動かす機会を増やしたい」という考えに「とてもそう思う」と答えたのは男の子の母親のほうが多く、女の子の母親より10ポイント程上回りました。
子どもがどんな活動をするかは本人の意思をいちばんに尊重する、というのが母親たちの基本姿勢。一方で、「女の子だから芸術活動に親しんでほしい」「男の子だから勉強やスポーツをがんばってほしい」という、母親の正直な気持ちが今回の調査からうかがえます。
男女の教育費のかけ方の差は、親の子どもに対する将来像の違いにつながっているように思います。もし、子どもの興味と親のやらせたいことの間にギャップができたときは、性別に関係なく、広い視野で応援してあげたいものですね。