「子ども読書推進計画」を策定している市町村が40%を超えたことが、文部科学省の調査でわかりました。読書は、子どもの心や知識を豊かにするばかりでなく、新しい学習指導要領で力を入れることにしている「言語能力」の基盤になるものです。この機会に、子どもたちの読書環境について、考えてみてはいかがでしょうか。
実は読書活動の推進については、法律があります。2001(平成13)年に制定された「子どもの読書活動の推進に関する法律」というものです。この中で、都道府県や市町村が「子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画」を策定し、公表することを求めているのです。
また、この法律では、国も基本計画を策定し、国会に報告することを定めています。現在の第2次計画(2008<平成20>年策定)では、おおむね5年間で、市町村の計画の策定率を24%(2006<同18>年度末現在)から50%以上に引き上げることや、公立図書館の図書館ボランティアを7万人(同)から10万人以上に増やすことなどを目標に掲げています。なお、都道府県については、すでに2006(平成18)年度末、計画策定率100%を達成していました。
文科省の調査によると、市町村の計画策定率は、06(平成18)年度末24%→07(同19)年度末31%→08(同20)年度末36%→09(同21)年度末43%と、順調に伸びています。このままのペースで進めば、あと2年ほどで50%を超えるのは確実です。なお、09(平成21)年度末で「策定作業を進めている」市町村が13%、「策定の検討をしている」が28%を占めています。
ただし、都道府県別に見ると、策定率に偏りが大きいことも否めません。最も高い静岡県では97%に上っているのに対して、最も低い山形県では3%に過ぎません。もちろん、県内の数値は、市町村の数によっても左右されるものです。要は、一つひとつの市町村が、実態に応じて、どれだけ真剣に取り組んでいるかが問われるでしょう。
ところで、基本計画は、家庭や学校にとっても、無縁ではありません。第2次計画では、家庭における読み聞かせなど、読書活動に関する情報提供や理解の推進を求めていますし、学校などに対しては、読解力の向上、学校図書の整備などを挙げています。
新学習指導要領では、知識を身に付けるだけでなく、それを「活用」する学習活動を充実して、思考力・判断力・表現力もバランスよく育成することを目指しています。全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)のB問題で問われているような力です。そのために、国語はもとより、すべての教科などの授業で、言語能力を高めるような指導を行うよう、各学校に求めています。そうした授業に対応するためにも、普段からの豊富な読書体験が、子どもにとって大きな≪武器≫になることは、間違いありません。
全国学力テストの結果を見ても、読書が好きな子どもほど、国語だけでなく算数・数学の成績が良くなる傾向があることが明らかになっています。学校・家庭・地域が一緒になって、子どもの読書を盛り上げていきたいものです。