政府・与党が進める高校無償化措置の内容については、以前の記事でもご紹介しました。現在、国会で法案が審議されており、成立すれば4月から実施されます。これにより公立高校の授業料は徴収されず、私立高校では公立と同額(低所得世帯には1.5!)2倍額)が軽減されることになります。こうした国の動きを受けて、独自に私立高校の授業料を世帯収入に応じて「実質無償化」する自治体が続出しています。
2010(平成22)年度の当初予算で正式に口火を切ったのが、京都府です。年収350万円未満の世帯に対して、府内私立高校の平均授業料である64万円を限度に、授業料を負担するとしています。同府では09(平成21)年度も9月補正予算で、失業や倒産によって家計が急変した家庭などに対して私立高校に授業料を全額免除するよう促す補助制度を創設しており、これらを合わせて「京都式高校生あんしん修学支援制度」と銘打っています。
自治体独自の私学授業料軽減措置は、実は、大阪府が昨年のうちに方針を打ち出していました。年収350万円以下の世帯に対して、府内私立高校の平均額55万円までを負担。それを超える額は、各私立高校が給付型奨学金などの形で一部負担することになっています。さらに橋下徹同府知事は11(平成23)年度以降、対象世帯を年収680万円以下に拡大する方針を表明しており、これが実現すれば府内私立高校生の半数が対象となる見通しだといいます。
また、愛知県は、年収255万円以下の生活保護世帯などが対象だった無償化措置を、同約350万円未満にまで拡大し、約350!)830万円の世帯に対しても補助額を上積み。広島県も250万円未満程度の世帯で授業料などを全額免除し、350万円未満程度の世帯に対しても補助率を2分の1から3分の2に拡充するといった措置を取ることを打ち出しています。ほかにも新年度予算で、独自の無償化措置を盛り込む自治体が続出するとみられます。
各自治体では以前から、独自の財源で、世帯収入によって私立高校生の授業料負担を軽減する「減免制度」を設けています。そうしたなかで国が、私学にも授業料の一部減額措置を行うことになったため、その分に使っていた予算を、自治体独自の上乗せ措置として振り向けられるようになった、というわけです。
これらの自治体の中には、授業料以外も無償化措置の対象にしているところがあります。京都府は、市町村民税が非課税の母子・父子世帯などに対して、学用品費と入学支度金を給付する奨学金事業を新設。広島県も、施設整備費なども含めた「実質授業料相当分」を対象にするとしています。国の措置は授業料だけが対象になりましたが、私学ではそれ以外の負担も高額に上りますので、注目される動きと言ってよいでしょう。
私学がどの程度の比重を持っているかは、地域によって事情が違います。けれども、こうした自治体の「支援合戦」は、保護者にとって大歓迎でしょう。大いに競い合って、教育費の負担軽減策を講じてもらいたいものです。