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今春の医学部入学定員は過去最大の360人増
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  • 記事作成日:2010年02月01日
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  • いま大学の医学部受験に、大きな変化が起こっています。それは、過去最大となる入学定員全体の大幅な増加と、主に国立大学で導入される地元高校生への優遇措置(地域枠)です。背景には地域医療を支える医師の不足があり、医師志望の子どもやその保護者にとっては医学部が「広き門」となるというメリットがありますが、その一方で、医師の養成全体から見ると、課題も少なくないようです。

    文部科学省は、2010(平成22)年度の国公私立大学の医学部入学定員を、現行よりも360人増やすことを決めました。これによって、入学定員は計8,846人となり、過去最大の「広き門」となります。
    医学部入学定員は、1981!)84(昭和56!)59)年度は8,280人でしたが、医師の供給過剰が問題となったため、これ以降は削減が続き、2003!)07(平成15!)19)年度には7,625人まで落ち込みました。ところが、今度は地方を中心に医師不足が深刻化したため、政府は2008(平成20)年度から、入学定員の増加へと方針を転換しました。当初の2008年度は医師不足が深刻な地域の11大学のみに増加を認めましたが、09(同21)年度は全国の大学に期限付きで増員を認め、さらに10(同22)年度入学定員以降については「早急に過去最大程度まで(入学定員を)増員する」ことを閣議決定しました。2010(平成22)年度の入学定員は、定員増前の07(同19)年度と比べると1,221人の増加となり、わずか3年間で16.0%も増える計算です。

    定員の増加には、地域医療に従事する医師を養成する「地域枠」、複数の大学が連携して研究者としての医師を養成する「研究医枠」、供給過剰になっている歯科医の定員を医師に振り替える「歯学部定員振替枠」の、3つのパターンがあります。この中で最も注目されるのが「地域枠」で、2010(平成22)年度は、増員される360人のうち、313人が地域枠に充てられています。
    各大学の取り組みを見ても、地域の高校と連携して医療の実習体験の機会を高校生に提供したり、医学部の学生に対して低学年のうちから地域医療の現場実習をさせたりするなど、地域の医師として医療を支える自覚を持たせる努力をしています。また、地元出身の高校生に対する特別選抜枠を設けている大学も多いほか、都道府県などからの奨学金もあるのが特徴です。

    一方、急激な医学部入学定員の増加による課題も目立ち始めてきました。文科省が2010(平成22)年度入学定員を発表したのは昨年12月ですが、これは通常発表のスケジュールよりも1か月ほど遅れています。その理由は、各大学の定員増が文科省の予定を下回り、定員増の再調整を迫られたからです。大学医学部の現場では、ここ数年の入学定員増に対応が追い付かず、一部で施設や教員の不足が深刻化しているとも言われています。
    医師不足への対応は急務ですが、粗製乱造では意味がありません。入学定員の増加と同時に、教育の質の確保も忘れてもらいたくないものです。


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