大学入試センター試験が、いよいよ16、17の両日に実施されます。ところで、センター試験では、試験を利用する私立大学の数が年々増加し、過去最多の更新を続けていることをご存じでしょうか。大学入試におけるセンター試験の役割や位置付けは、昔に比べて大きく変わりつつあるようです。
センター試験は、前身の「共通一次試験」(1979<昭和54>年から実施)が受験競争の過熱化や大学の序列化を招いたという批判を受けて、1990(平成2)年春にスタートしました。受験した経験があるかたも少なくないと思いますが、おそらく保護者世代にとっては「国公立大学を受験するために必要なテスト」というイメージが強いのではないでしょうか。しかし現在のセンター試験は、そんなイメージとは大きく異なります。
具体的なデータを見てみましょう。今春のセンター試験の出願者数は55万3,367人で、その内訳は、高校卒業予定者(現役生)44万147人、高校卒業者10万6,653人、その他6,567人となっています。注目されるのが、現役生の出願率です。今春の高校卒業予定者全体のうち、センター試験に出願した者の割合は41.0%(前年度比0.5ポイント増)で過去最高。実に、高校生の約4割がセンター試験を受けていることになります。
これだけ多くの高校生がセンター試験を受けるようになった理由は、参加私立大学の増加にあります。共通一次試験の反省から、センター試験は、国公立大学だけでなく、私立大学も利用できるようになりましたが、スタート当初の私立大学の参加はわずか16校で、しかも定員のごく一部だけでした。しかし、95(平成7)年度入試から100校を超え、2009(同21)年度入試では私立大学の約8割が、センター試験を利用するまでになりました。
2010(平成22)度入試では、494大学・1,404学部の私立大学が参加。これに私立短期大学145校を加えると、私立の参加は639校にも上ります。現在の大学入試では、たとえ私立のみの志望であってもセンター試験は無視できない、と言ってよいでしょう。
センター試験に参加する私立大学が増加した背景には、18歳人口の減少による学生獲得競争があります。より多くの受験生を集めるため、私立大学も積極的にセンター試験を利用するようになったのです。
ただし、センター試験利用の安易な広がりを心配する声もあります。当初はセンター試験と個々の大学が実施する入試を組み合わせて選抜する方式が大半でしたが、最近ではセンター試験だけの入試方法を設ける私立大学が増えており、中には1科目だけでよいという大学もあり、よほどきちんとした選抜や入学後の教育が行われなければ、大学の質も低下していってしまうのではないか、というわけです。
一方、受験生にとっては、一度のセンター試験で、いくつもの大学や学部を受験できるメリットがあることも確かです。進学後のことも考えて、上手な受験をしたいものです。