Benesse お茶の水ゼミナール
地学
地学~異常気象~

センター地学(専門)で受験しようとする皆様。
「油断しないでください」
今年は異常です。地学基礎の方が難しい。

 文系の方はよっぽどな事情がない限り基礎科目2つで受験することをオススメしていました。今までは…
過去2年の平均点は約41点と約39点。人数が少ないため,得点調整もされなかったという悲劇。参考書もないので独学はキツイ。
 こんな事情でしたので,今年も身構えていましたが激変しました。地学基礎の範囲でも解ける問題が多数出題され,計算問題も簡単,選択肢もほぼ4択。思考する問題は殆ど無い。どうしたセンター地学。平均点はかなり上がるのでは?(数少ない受験生がちゃんと勉強してれば)。

さて,今年の問題についてコメントしていきたいと思います。頭から解いて思ったことを書いていきます。
<コメント>
第1問A:地学基礎の範囲。超基本問題。
第1問B:地学の範囲であるが,地学基礎の発展事項として扱われているレベルの問題である。超基本問題。
第1問C:問5は超基本問題。問6の図の読み取りだが,下線部をちゃんとよめば,発熱量が半分になる時間を求めればよいだけ。基本問題。問7を下線部がない状態で出題すれば難問であるが,ただ単にSiO2の量を考えるだけなので基本問題。

第2問A:地学基礎の範囲(ちょっと発展的なものも含む)
問1・問3は超基本問題。問2の図は正確に覚えてないとキツイな。クックソニア。問3は正解の選択肢が明らかに正しい。石炭紀の名前の由来ですよね。
     ここまで解いて,違和感を感じ始める。
第2問B:ここは地学の範囲だな。問4は傾斜が45°なので容易。頭の中でイメージして解けるレベルの問題。
第2問C:ここも地学の範囲だな。問5のマグマ混合の話は覚えてない受験生もいたかも。まあ,イメージ的には明らかだけど。問6は超基本問題。地学基礎の発展事項にも記載されている。

第3問A:どれも地学基礎の範囲。どの問題も,中学教科書の知識だけで正解することができる。ただし,問2は6月~8月,12~2月という情報からどのエリアに高気圧が発達するか考える必要がある。良問だな~。来年の地学基礎のテキストに入れよう。 第3問B:どちらも超基本問題。計算問題も単純な比例・反比例の計算。

     ここまで解いて,気持ち悪さを感じる。

第4問A:これは地学基礎の発展事項レベルの問題。選択肢の判定も容易。
 問4は文字式を選ばせる問題だが,超有名問題。地学基礎で出題しても良いレベル。
第4問B:これは地学の範囲だな。問5で人名登場。これは盲点だったはず。知識が曖昧だとハーシェルを選びたくなるよね。問6,問7は基本問題。
 問8は過去問だけやっていても解けないな。覚えてるかどうかだけ。

第5問A:問1のアイソスタシーの計算も基本問題。問2はちょっと細かいかな。
  とりあえず海嶺における地殻熱流量と海溝における地殻熱流量の大小はわかるはず。後は太陽定数との比較なんだけど,数値覚えてないと比較するのは厳しいか。イメージで説明できるかなあ…,問3はサービス問題(地学基礎範囲)。
第5問B:磁気圏きた!図を覚えてなくても,太陽風で流されると考えれば解答は容易。
ここまで解いて,過去2年の受験生が可哀想になる。
(おまけ)
第6問A:問1は基本問題で地学基礎の範囲。問2は地学の範囲だが,旧課程地学Ⅰで出題されていた問題のほうがかなり難しい。
第6問B:また波か。去年も出たな。しってるかしらないかだけ。

最後に
高1・高2生へ-今後の勉強法と対策-
今年の問題をスタンダードに考えると危険である。過去2年の難易度を考えると,現段階で7割は得点出来ない場合は地学をオススメしない。
地学の知識量は膨大で,高得点を目指す場合はかなりの時間がかかる。教科書と資料集と国立2次試験の過去問をひたすらやるしかない。
覚悟を決めて頑張ってください。


第1問固体地球総合ここは確実に得点したい。どれも基本問題である。
第2問地史・地質・岩石基本問題が大半。マグマ混合の話を知らなかった場合は確認しておこう。
第3問大気・海洋基本問題。地学基礎の方が難しい。
第4問天文Bの銀河に関する問題の方がやや難しいか。人名が問われたので今後も注意が必要。
第5問
(選択)
固体地球・磁気圏地殻熱流量と太陽定数の比較以外は容易。単位が同じものであれば,他の分野であっても比較しておく意識が大切。
第6問
(選択)
大気・海洋地学の範囲であるが,知識系が大半。満遍なく覚えましょう。