Benesse お茶の水ゼミナール
数学IA
大問数が減少。ただし、基本的な小問数は増加。条件付き確率が初めて出題。

昨年度6問に対して、5問に問題数が減少した。しかし、第1問と第2問では独立した小問が3題ずつ出題されており、労力が減ったようには感じない受験生もいたかも知れない。特に、データの分析は問題を読むだけで時間がかかる。
また、1次関数の最大最小、条件付き確率、一次不定方程式、記数法など過去にあまり出題されなかったものが見られた。しかし、そんなに難しいものではなかったので、全体として昨年並みと考えられる。

第1問
[1]関数の最小値は傾きに注意し、設問が誘導になっていることに気づきたい。
[2]集合・要素の包含を表す記号の理解が問われた。必要条件、十分条件は具体例から判断することが出来るだろう。
[3]文字を含む2次式の因数分解を正確に行い、数直線を書いて考えるべき。失点を避けたい設問である。

第2問
[1]正弦定理、余弦定理の理解はもちろん、(2)以降では円と三角形の幾何的な考察が必要である。
[2][3]散布図・ヒストグラム・箱ひげ図の統計資料を正しく読み取る力を身につける。[3](2)までは失点を避けたい。[3](3)は変量変換の深い理解が必要となる。教科書以上の内容が問われることもある。

第3問
玉の取り出し方にいろいろ条件をつけるという、作業としてはよく見みかける問題である。
場合の数と確率の問題は、状況の整理をするためにも具体的に書き上げることを忘れずに。
また、読み取るべきポイントとしては取った玉を元に戻すのか戻さないのかに注意。この違いはしっかり練習をしておくこと。
後半で条件付き確率の問題が出ているが、これは教科書の練習問題と同じレベルである。
これは計算の仕方だけでなく、この確率の意味を理解して計算できるようにすること。
今後の勉強として、教科書の問題からでよいので、自分の作った計算式の意味をしっかり理解して解けているかの確認をすること。

第4問
前半の一次不定方程式のもんだいであったが、ユークリッドの互除法の利用ができたかがポイントであった。2017年度もユークリッドの互除法を利用する可能性があるので演習が必要である。
後半のn進法はn進数の変換、少数のn進数ともに、教科書の習得で対応できた。
本年の整数分野は目新しいものはなく、教科書の習得をしておけば対応できた。

第5問
例年と異なり、図が与えられている問題であった。
(1)までは初等幾何の基本事項である、円周角の定理、メネラウス、チェバの定理を利用する問題であり、基礎的な問題演習が出来ているかを問われたのでもう一度教科書に載っている公式、定理の確認が必要である。
(2)では(1)とは違う図を自分で描かなければならないので、普段の学習でも意識して正確な図を描く練習をすることが大切である。

新課程内容に関しても、お茶ゼミの通年講座『センター数学ⅠA』で充分に学習していた。第2問のデータの分析、第4問の条件付き確率、第5問のユークリッドの互徐法、n進法など、すべてにおいてお茶ゼミ生は有利であった。また、夏期講習『図形攻略』でも初等幾何を特集しているため、第5問も容易い生徒は多かったはず。

第1問関数・論理と集合〔1〕一次関数の最大最小〔2〕集合と条件〔3〕連立二次不等式
第2問図形と計量・データの分析〔1〕正弦定理、三角形の面積〔2〕〔3〕散布図、ヒストグラム等の読み取り。共分散、相関係数の考察。
第3問確率袋から球を取り出す問題。条件付き確率。
第4問整数一次不定方程式。記数法。
第5問平面図形円に内接する四角形


平均点変移
20152014201320122011
61.2762.0851.2069.9765.95