Benesse お茶の水ゼミナール
生物I
基礎知識と科学的思考力!
単純暗記ではなく本質を理解しよう!

「先生!理科って最後の追い込みがきくんですよね! 特に、生物は暗記科目だし・・・。私、暗記には自信があるんです♪ だから、夏までは主要教科に集中して、理科はそれ以降に始めようと思います(~_~)ノ」

新高3生にこんなことをよく言われます。
「・・・。そんなことあるかー!!(怒) 生物こそマイペースにコツコツと♪」
何でかって?! 今年度のセンター試験を分析しながら、その根拠をお伝えします。

まず、過去問との比較をしておきましょう。

大問数は5と例年と変化はないものの、マーク数・設問数が増え、相変わらず文章量も迫力があります。60分の試験時間で33個のマーク。つまり、1つのマークを2分以内で解答していくペースです(焦

内容は、「細胞」「生殖と発生」「遺伝」「環境と動物の反応」「環境と植物の反応」の計5分野で例年通りです。ただ、大問ごとにA、B、Cのテーマの異なる中問が設定されており、幅広い分野から満遍なく出題されています。救いは、基本的な知識問題が増加したことや、複雑な実験考察問題や計算問題が少なかったことです。今年度の特徴的な問題としては、現行の教育課程になってからはじめて生体防御ががっつり出題されたことや、ゴルジ体の問題でしょう。

難易度は、昨年並みと言えます。センター試験は平均点が60点前後になるように作成されているので、妥当な平均点と言えます。

さて、それではセンター生物で高得点を取るには、どのような受験勉強をすればよいのでしょうか。

3つのことを意識してください!
①基礎的な知識 (生物受験者として当然のこと!)
②読み解き能力 (日本人として当然のこと!)
③知的好奇心  (せっかく取り組む受験勉強~楽しみましょう♪)
つまり、当然のことを前向きにやりきった者が勝ち組になれるシステムになっているのです!(ニヤリ

①基礎的な知識
センター生物は「暗記科目」とよく言われます。たしかにその一面もありますが、頑張っても平均点止まりです! 考えてもみてください。地球上に生息する生物種は多種多様で、それを覚えきることは不可能です。覚えるどころか、未知の生物や解明できていない生命現象ばかりだと思います。(それが生物学の魅力のひとつですね♪)
ただ、受験生物に取り組む上で、覚えるべき基礎的な知識はもちろんあります!それを疎かにしていては、高得点を目指すとかの次元ではありません!! では、覚えるべき基礎的な知識とは何でしょうか。それは,高校で学んできた生物です。いいですか!センター試験は教科書の内容から出題されているんですよ!まずは,高校での生物の授業のノートや教科書を見返してほしいです。それが必ず土台となります!

第1問の問5
「神経伝達物質」は、「アセチルコリン」「ノルアドレナリン」という基礎的な知識を覚えていれば瞬殺でした!!w (同様の設問 第1問の問1「細胞の発見と細胞説の提唱」問2「原核細胞と真核細胞」問3「ゴルジ体」、第4問の問1「海産硬骨魚類の浸透圧調節」問3「バソプレシン」、第5問の問4「オーキシン」など)

第4問B
「生体防御」は、現行の教育課程になってからはじめて出題されました。これは今年度の最たる特徴でしょう! 生物Iの教科書では生物IIにくらべ、かるく扱われている内容であるため、出題されない!!とやまかけして臨んだ受験生も多かったようです。やまかけしないで満遍なく基礎知識を蓄積してきた受験生にとっては、これもまた瞬殺でしたね!!w 同様に、「被子植物の重複受精」「精子」「伴性遺伝」「不完全連鎖」「オーキシン」などのテーマは昨年度も出題されていました。今年度は出題されない!!なんてやまかけは絶対にしないでください!

基礎的な知識といっても単純暗記だけではいけません! 
第2問の問5
「調節卵」は、「予定運命の決定が比較的遅い」「ヒト、カエル、ウニ」といったキーワードだけでは難しい問題になったでしょう。調節卵の本質は「割球分離実験で完全な胚がえられる」ことにあります。単純暗記に励むのではなく、生命現象をイメージしながら、本質をつかむ勉強をしていきましょう!! (同様の設問 第2問の問1「生殖」問2~3「被子植物の重複受精」、第3問の問3「性決定様式」、第4問の問2「生物の浸透圧変化」、第5問の問5「オーキシン」)

「好きこそものの上手なれ!」
これから共に頑張っていきましょう☆


第1問細胞A:細胞の発見の歴史、細胞の構造  B:興奮の伝達[実験]
第2問生殖と発生A:生殖、被子植物の受精  B:精子形成[実験]  C:予定運命
第3問遺伝A:性決定、伴性遺伝  B:不完全連鎖[計算]  C:染色体地図
第4問環境と動物の反応A:浸透圧調節   B:生体防御
第5問環境と植物の反応A:光合成速度、陽葉と陰葉[実験]
B:オーキシンと重力屈性[実験]


平均点変移
20112010200920082007
63.3669.7055.8557.6467.04