地学

センター試験であまり見慣れない問題がいくつかあった。

例年通り、教科書に載っている内容をしっかり理解出来ているならば問題なく正解できるもの、が多いのではありますが、今年は「あまり今まではセンター試験に出なかった内容」が散見されました。第1問にある震源の方向の問題や、第3問の川の流速と土砂の粒の大きさのグラフの問題など。しかしその一方、過去問のほぼ焼き直しにあたる問題も多く、今までの問題を用いての対策が非常に有効であることには変わりありません。

地学は例年、「地球物理(地球の構造や地震など)」「岩石鉱物(岩石の特徴や火山について)」「地質地史(地質図の読み取りや地球の歴史)」「気象海洋(天気や大気構造など)」「天文(太陽系や恒星、銀河など)」の5分野が各1つずつ大問になっています。今年もその傾向は受け継がれました。

60分で小問は合計30個。つまり平均2分で1問答えを出せばよいことになります。落ち着いて正解を導き出すだけの時間は十分にあります。

今年の問題は、あまり際立った特徴と言えるものがあるわけではありません。教科書レベルの知識確認問題と、その知識を複合させ思考力を用いて答えを導く問題がバランス良く配置されています。学校で地学を勉強したことのある人は、問題を見ながら「そういえばこれ習ったなあ」「この図見たことあるなあ」と思えるものがいくつもあるのではないかと思います。一方で、一見して「こんなの知らない」と思ってしまうものでも、ちゃんと教科書に載っている知識を用いれば答えにたどり着くものも用意されています。では例をひとつ。第3問の問4を見てみましょう。
「地球の誕生を1月1日の午前0時として、地球の誕生から現在までの時間を1年に見立てた場合、先カンブリア時代と古生代の境界は1年のうちのいつごろに相当するか。」
これは当然教科書を読んで憶えているはずはありません。必要なのは次の2つの知識です。知らないという人も、これから1年間でちゃんと知ればいいので心配はいりません。
      「地球が誕生してから46億年たつ」
      「先カンブリア代と古生代の境目は5.4億年前くらい」
 46億年を1年に換算すると、12で割って4億年弱が1か月間に相当します。ということは、先カンブリア代と古生代の境目は1か月と少し前という計算ができますね。よって答えは「B11月後半」。
それから、単なる知識問題だけではなく、問題文と図からじっくり考える必要がある問題もいくつか見られます。こちらも1例挙げましょう。第2問の問3。図と問題文が必要なので、問題はインターネット等で探してみた上で少し考えてみてください。ヒントとして「深成岩体とは、元はマグマだったものが冷えたもの」だということを与えておきます。

 どうでしょう。予備知識がないと難しそうですが・・・。まず「深成岩体(元・マグマ)に近いのだから、Y地点の方が温度が高い」。そしてXもYも紅柱石と珪線石の境目なのだから、図2のグラフでその境目にあたる部分を見てみる。境目の部分は温度が高いほど圧力が低いのだから・・・、Aが正解ということになります。何でもかんでも憶えてしまえ、という感覚で臨むと解けない問題です。ほかの科目でもそうですが、問題文や図にヒントが与えられていることが多いです。慎重な読み取り、というのも1年間練習していきましょう。

 今、この文章を読んでいる高1・高2生の皆さんの中にも、センター試験の理科の選択をどうしようかと考えている人が多いかもしれません。まずは今年の問題に目を通してみてください。地学の問題文と他の科目の問題文を比較して、拒否反応が起こりにくいのはどちらでしょうか?地学の問題文に出てくる言葉や図などに拒否反応が出る人にはセンター地学の選択は勧めません。もっとやる気になれる科目に本気を出しましょう。

 もし地学の問題文に抵抗感が無いのならば・・・、地学の選択を考えてみる価値は大有り。お茶ゼミでは夏と冬の講習+お茶ゼミ模試において様々な問題を扱いますが、それにプラスして「1年間掛けて教科書(参考書)の内容を隅から隅まで理解する」ことをしておけばよいのです。丸暗記ではなく、理解したうえで頭に入れるのです。理解するのには時間がかかります。1年くらい見ておけば十分です。

 よく「他の科目をやっても点数がなかなか伸びないから、年末くらいから地学を始めてみようかな」なんてことを考える人もいるんですが、試験放棄としかいえません。早い段階から少しずつ取り組んで、基礎知識をいつでも引っ張り出して問題を考えることが出来るようになることを目指しましょう。


第1問地球物理地球の構造と地震波についての問題。問4は教科書を細かく見ていないと難しい。
第2問岩石・鉱物定番の岩石問題だが、知識だけでなく図から判断する試行問題が出題。
第3問地質・地史恒例の地質図に加え、初めて河川の流速と堆積物の粒の大きさについての問題が出題。
第4問気象・海洋天気図を与えた気象の問題と海流の問題が出題。その中で幅広い知識が必要だった。
第5問宇宙科学太陽系の惑星と恒星についての問題。ケプラーの法則の計算問題は久々に登場した。


平均点変移
20112010200920082007
64.3066.7651.8559.6862.42