現代社会
現代の社会に対する興味関心が得点に大きく影響
今年の問題も現代社会らしい問題となった。現代社会らしいとは、内容的には政治・経済と倫理の折衷ではあるが、出題が現実の社会で起こっている時事的事柄に関連する政治・経済、倫理に関わる分野に限定されているということである。また、現代社会を選択した受験生のメリットは短期間の学習で高得点をあげることができる点にあるが、めりはりのない学習をしていても高得点は望めない。これらのことから、常日頃から新聞を丁寧に読み、現実の世界で何が起こっているのかをきちんと整理して、めりはりのある学習を行うことが現代社会には必要不可欠であるといえる。
第1問は、南北問題をテーマとした問題であるが、教科書レベルの知識と論理的思考力だけでは満点をとることが困難な問題である。日頃から新聞を読む習慣のある受験生でも、問2の人間開発指数やミレニアム開発目標といった語は難しく、センターの問題としては多少不適切であるといえる。また、問6の安全保障基金の設立を主導したのが日本であることを日本とアメリカから選ばせて答えさせる問題も極めて難しい。今後、このレベルの設問も出題される可能性があるということを前提にして学習をすすめることや新聞を詳細に読む習慣をつけていくことが要求される。
第2問は、青年期の問題である。現代社会での青年期の出題は定番になったといってよい。現代社会の倫理分野の問題については基本的用語の定義をしっかり整理しておけば満点は確実である。
第3問は、2010年のイギリスの政権交代や2012年に世界各国の首脳が交代するということを念頭に置いて各国の政治制度について学習した人にとっては簡単な問題だったと言える。
第4問は、2009年の臓器移植法改正や2011年に生活保護世帯が過去最多になったという時事的事柄を試験前に整理しておいた受験生にとっては簡単な問題であったといえる。日頃、新聞を読む習慣をつけるともに試験直前にお茶ゼミの冬期講習の時事対策講座で主だった時事的事柄を整理しておくことが大切である。
第5問は情報化社会に関する問題。情報化は現代社会の特徴をとらえるうえでは重要な現象であり、センター現代社会ではよく取り上げられる。問2の問題では著作権と記すべきところが特許権となっていることで誤りであると答えさせる問題である。ケアレスミスを誘導する一種のひっかけ問題といえるが、このような問題にも冷静に対応できないと9割以上の点をとることは難しい。
第6問は、裁判員制度がテーマの問題である。ここ数年、裁判員制度については必出事項となっている。裁判員制度については賛否両論があり、今後さらなる議論を高めていくためにも国民が裁判員制度に関する基本的な知識をもつことが要求されるという観点から頻繁に出題されていると考えられる。つまり、センター現代社会では、公民という科目の使命でもある健全な公民の育成という観点からも問題が作成されているといえる。
以上、大問を概観してみたが、第1問だけ突出して難しかったといえる。繰り返しになるが、来年のセンターにむけてこの程度の問題が出ることを想定して学習していくことが高得点をマークするためには必要である。そのためにも、時事的な内容を常に意識しながら授業展開を行っているお茶ゼミのセンター政経の授業を中心とした学習は必要不可欠といえる。
また、現代社会・政治経済・倫理といった公民科目を単なるセンターで高得点をマークするための科目として位置づけるのではなく、健全な公民となるための教養を身につけるという観点から学習することで、単なる知識は血となり肉となって、それが結果的に大学受験での確実な得点に結びついていくということも忘れてはならない。
| 第1問 | 南北問題 | 詳細な時事的知識がないと解けない問題が多い。 |
| 第2問 | 青年期の課題 | 教科書レベルの基本的な知識があれば満点がとれる基本的問題。 |
| 第3問 | 各国の政治制度 | 政経の正確な知識が要求される問題。 |
| 第4問 | 家族と社会 | 最近の家族に関わる諸問題をテーマとした時事的問題。 |
| 第5問 | 情報化社会 | 教科書レベルの基本的な問題だが、一部、論理的思考が要求される。 |
| 第6問 | 日本の司法制度 | 選択肢を注意深く読まないと誤答する恐れのある選択肢が多い。 |
平均点変移
| 2011 | 2010 | 2009 | 2008 | 2007 |
| 61.76 | 58.76 | 60.19 | 60.55 | 50.31 |
